誤認逮捕で女性19日間勾留は「ひどすぎる」と物議 問題はないのか弁護士に聞いた | キャリコネニュース - Page 2
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誤認逮捕で女性19日間勾留は「ひどすぎる」と物議 問題はないのか弁護士に聞いた

19日間も勾留されるのは、かなり辛そうだ。

19日間も勾留されるのは、かなり辛そうだ。

報道によると、2016年8月、投稿サイトに「人気アイドルグループ『関ジャニ』の徳島公演に行けなくなったので、チケットを譲る」という内容が書き込まれた。これを見た県内の女子高校生がチケットの代金4万円を指定された口座に振り込んだものの、チケットが届かなかったため、被害届を提出していた。

徳島県・三好署は5月15日、愛知県豊田市の専門学校生の女性(21)を逮捕。この女性の名前で書き込みがあっただけでなく、振込先口座も女性名義だったからだ。女性は容疑を否認していたが、19日間に渡って勾留され、6月2日に処分保留で釈放された。結局、京都市の女子中学生(15)が女性に成りすまして書き込みを行っていたことが判明し、女性は誤認逮捕されていたことが明らかになった。

この騒動が報道されると、ネットで物議を醸し、

「あまりに酷くねえか」
「21歳の女性にとっては生涯消えない深い傷」
「たった4万の案件で逃走の可能性も低いのに逮捕拘留とか人権問題に発展する」

といった批判が相次いだ。確かに、19日間も勾留されれば、心身共に疲弊する。周囲からも犯人扱いされかねない。ここまでする必要があるのか疑問が湧くが、落合洋司弁護士によると、今回のようなケースはそれほど珍しくはないという。

「重大事件でなくても、罪証隠滅や逃亡の恐れがあるなど、裁判所がやむを得ないと認めれば勾留されることになります。基本は10日間ですが、被疑者が容疑を否認している場合には、20日間まで伸びることもあります。被害の金額が4万円程度でも詐欺事件であれば、19日間勾留されるのは珍しいことではないでしょう」

「どのような場合に勾留が妥当なのか、議論の余地はある」

では、誤認逮捕だと判明した後、何らかの補償を受けることはできるのだろうか。落合弁護士によると、「法務相には被疑者補償の規定があり、抑留されたのに不起訴処分になった場合には、1日につき1000円~1万2500円が補償されることがある」という。

「今回のケースでは、別の中学生が本当の犯人として書類送検されており、補償の要件である『その者が罪を犯さなかったと認めるに足りる十分な事由があるとき』に該当します。補償受けられる可能性が高いのではないでしょうか」

ネット上では、「人権問題」といった声も上がっている。小笠原基也弁護士は次のように語った。

「勾留に関しては、住所不定であったり、定職に就いなかったりする場合には逃亡の恐れがあると認められることが多いです。また共犯者がいる場合には、口裏を合わせる恐れがあるため、勾留が妥当だと認められることがあります。共犯者がいなくても、被疑者が容疑を否認していると勾留を認められやすいです。ただしどのような場合に勾留が妥当なのか、議論の余地はあると思いますし、要件を満たしていなければ違法ですから、人権侵害になります」

9月10日には、三好署の安部圭彦副署長と國金益郎刑事課長が女性宅を訪れ謝罪したという。

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