「トヨタの福利厚生は日本トップレベル」 2017年自動車業界「働きやすい会社」ランキング
キャリコネニュースでは、約100万人が登録する国内有数の転職口コミサイト「キャリコネ」のデータから業界別で「働きやすい会社ランキング2017年下半期版」を作成。今回は自動車メーカーのランキングを発表する。
対象は2016年10月1日~2017年9月30日の期間に評価が10件以上寄せられた企業で関連部品メーカーなどは除外し、ランキングを作成した。
製造業の中心を担う自動車産業。国内乗用車メーカーはトヨタ、日産、ホンダの3陣営に集約しつつあるが、近年、電動化や自動運転技術などで電機メーカーなども巻き込む開発競争が加熱。国内新車市場は2年ぶりに500万台(2016年度、日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合)を回復し、国内生産台数も3年ぶりにプラスとなっている。
ユーザーは、次の6つの選択項目をそれぞれ5点満点で評価している。
「労働時間の満足度」「仕事のやりがいを感じるか」
「ストレス度の低さ」「休日の満足度」
「給与の満足度」「企業のホワイト度(ブラック企業でないか)」
これら全項目の平均点が、その企業の働きやすさの指標となる。
1位:本田技研工業 平均3.64点
2位:トヨタ自動車 平均3.63点
3位:日産自動車 平均3.42点
4位:マツダ 平均3.30点
4位:ダイハツ工業 平均3.30点
6位:SUBARU 平均3.26点
7位:三菱自動車 平均3.24点
8位:いすゞ自動車 平均3.23点
9位:日野自動車 平均3.15点
10位:スズキ 平均2.70点
1位の本田技研工業の社員「社内コンペなど新アイデア取り入れる意識は業界随一」
堂々の1位は海外生産で先行し、二輪車世界首位の本田技研工業。”労働時間の満足度””休日の満足度”がそれぞれ3.8点と4.1点で10社中1位の高得点となっている。口コミには「保養所等も整備されているため、積極的に使用する方には良い会社だと思われます。ユニークなものとしては、カフェテリアプランや、自動車購入の際のサポート等がある」(経理 20代後半 男性)など、福利厚生の充実ぶりを指摘する内容も多い印象。
「さまざまな新しい取り組みをしており、面白さでいうと業界随一だと思います。社内コンペなどもあり様々なアイデアを取り入れようという試みもみられます」(電気・電子回路設計 20代前半 男性)
「周りに産休育休を取得し発揮されて居る方が多数いる。また、子供が小さいうちは時短勤務が出来るため家事と仕事の両立が可能」(購買・資材 20代前半 女性)
国内最大のメーカー・トヨタ自動車は”仕事のやりがい””ストレス度の低さ””給与の満足度”で一番高い点数を取ったが、今回のランキングでは僅差で2位となった。同社は戦後間もない時代から今日まで、「より安定した」「より充実した」「より不安のない」生活を目指し、福利厚生制度の充実・改善に力を注いできたことも有名。「トヨタの福利厚生制度は総合的に見て日本でトップレベルの水準に達する」(財務・会計関連職 20代前半 男性)という証言も。
「非管理職の労務管理は厳しく、様々なログが監査されるため、無制限に残業できない仕組みがある。仕事量は多いので限られた時間の中で効率良くアウトプットを出すことが必要。休日に出勤する場合は、平日に振替休日を取るか、残業にカウントするか選べる。年休100%消化も必達。ワークライフバランスは大変取りやすいと思う」(生産・製造技術 30代前半 男性)
「体育会系の社風で、健全な会社と思います。自動車会社だけに、交通事故削減に対して、本当にまじめに活動をしている会社です。毎週、業務時間内に事故の展開や、注意喚起の啓蒙活動を行っています。イベントは、駅伝が有名と思います。海外拠点からも大勢押し寄せて12月は賑わいます」(研究開発 30代後半 男性)
3位には仏ルノー傘下で高級車「インフィニティ」ブランドでも世界展開し、無資格検査問題がニュースになっている日産自動車。その働きやすさ評価は、特に”休日の満足度”が3.8点と高い。同社はダイバーシティを経営戦略のひとつに位置付けていることでも知られており、「日本人・外国人・新卒入社・中途入社に関係なく、すべての社員に出世・活躍の機会が与えられる。人種や性別、学歴等による差別は明確に禁止されており、みな平等に評価を受ける」(マーケティング関連職 40代前半 女性)という。
「部署によっては、上司、同僚、部下が多国籍で構成されるため、英語力、グローバルなマインドセットは大変鍛えられると思います。一般的な日本企業の海外駐在よりも、日本にいながらグローバルな経験を積めることは、キャリア形成の上でも有益と感じます」(マーケティング関連職 30代前半 男性)
「結婚すると家族手当や扶養手当など手厚い。ほかにも完成車メーカーだけあり、ガソリンや自動車保険、リース契約など、車に関する福利厚生はよいと思う。外資が入っているので社宅や保養所など日本的な制度は廃止になっていく傾向にあると思う」(研究開発 30代前半 男性)
2015年にトヨタとの包括提携をしているマツダは4位だった。”労働時間の満足度”で1位の本田技研工業に次いで高い3.7点を記録している。もっとも部署などによって残業の量もだいぶ違うそうだが、「残業代は支給されていました。サービス残業はほぼない」(カウンターセールス 30代前半 男性)そうだ。
「自動車メーカーだけあり、自動車のことを好きな人が多いです。そして比較的、自社製品を愛する人が多くプライドをもって各々の仕事に取り組んでいる人が多い印象を受けました」(カウンターセールス 30代前半 男性)
「職場の人間関係はとても良好です。広島という土地柄かもしれませんが、人懐っこい方がとても多く、みなさん協力的なので、仕事は進めやすかったです。困ったことがあったり、新しいことにをやるにしても相談すれば快く引き受けてくれました」(人事 30代前半 女性)
ベスト5にはダイハツ工業がマツダと同点ランクイン。「ベースの給与に関しては高いとは思えないものの、ボーナスが高水準で安定していたため、そこでカバーする形になっていた」(その他 20代後半 男性)といった声もあり、ベスト3企業などと比べると”給与の満足度”など各項目で後塵を拝しているが、”休日の満足度”は3.7点と高得点。
「全体的に残業0ベースの機運が高まっており、残業とフレックスで帳尻を合わせて月末には0にするという形になっていた。業務負荷が高くなる時期には0で抑え切れないこともあったものの、それでも最大30~40時間のレベルであった。休日出勤は、組合員に関しては少なくとも自分の周りではしている人を見ることはなかった」(その他 20代後半 男性)
「社員をとても大切にする会社」(三菱自動車)「”いすゞ夏祭り”などで地域貢献。社員間交流も盛ん」(いすゞ自動車)
「福利厚生の面に関しては、充実していると思います。労働組合の努力の成果で、有給は全て消化することができ、有給の取得についてもある程度融通をきいていただけました」(その他 10代後半 男性)
「様々な社内研修が用意されており、社内の専門家が講師となって、業務上必要なスキルや知識を教えてくれるため、大変役立ちます。リコール隠しとダイムラーショックの際に、社員の大量離職を経験しており、社員をとても大切にする会社で、若手社員はシッカリ育てますし、中堅社員、ベテラン社員でも、各社員の個性に合わせて、マネジメント職、専門職で人財を処遇する会社です」(購買・資材 30代前半 男性)
「関係部署とのコミュニケーションは非常に取り易いと感じる。どこの部署も限られた人員で業務を遂行しているため、助け合いの精神がある。このため相談もしやすく、社内全体の風通しは良いと思う。年に一度の夏のいすゞ祭りでは、各部署で決められた屋外のスペースで宴会が行われ、祭りの最後は盛大に花火が上がる。社員間の交流、地域貢献にも繋がり非常に良い雰囲気の社風だと思う」(機械設計 30代後半 男性)
「残業代はしっかり出る。土日も何もない限りしっかり休める。基本的にトヨタカレンダーで動いているため、平日の祝日は出勤日、その代わりにGW・お盆・年末年始は9~11連休となる」(機械設計 20代前半 男性)
「やりがいはある。自分の意見を正しく主張できればちゃんと納得して採用されやすいと思う。そのためいろいろなことにチャレンジしやすい風習がある。遠州地方独特の「やらまいか」精神が強いのだろうか。とりあえずなんでもやってみなければわからないので、意見やアイデアを述べるとやってみるかになることが多々ある」(研究開発 30代前半 男性)
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