2019年卒の初任給、4割が「引き上げる」 建設や流通など、人手不足深刻な業界で顕著
2019年度の新卒採用も、就活生に有利な状況となりそうだ。リクルートは12月19日、民間企業における2019年新卒者を対象とした採用見通しに関する調査結果を発表した。従業員数5人以上の民間企業約6000社を対象とし、4669社から回答を得た。
これによると、42.5%の企業で2019年新卒者の初任給を引き上げるという。採用を増やす予定の企業は2011年以降最高の15.8%だった。
人手不足でも外国人の採用に前向きな企業は一部
初任給の引き上げは人材確保が目的だ。特に建設業では既に31.2%が引き上げを実施。これから行うと回答した企業と合わせると51.9%と、半数が初任給アップを予定している。引き上げに前向きなのは建設業のほか流通業、製造業など、人手不足が深刻と言われる業界だった。
採用者数を増やしたい企業も多い。採用数が「増える」と答えた企業(15.8%)と「減る」と答えた企業(5.1%)の差は10.7%で、前年の7.8%を上回った。業種別に見ると、特に「飲食サービス業」(24.7%)、「半導体・電子・電気部品」(20.5%)が採用数増加に意欲的のようだ。従業員規模別に見ても、どの規模でも採用人数を「増やす」が「減る」を上回った。
高校生の新卒採用見通しも、「増える」と回答した企業が10%、「減る」企業が3.3%で、2015年卒以降、5年連続で「増える」が「減る」を上回っている。
ただ、新卒者確保のために外国籍学生の採用を積極的に行っているところは多くない。人材確保を目的に、外国籍学生の採用比率を高める取り組みを行っている企業は、「既に取り組んでいる」が9.9%、「今後取り組む予定」が11%。「取り組む予定は無い」が最も多く、78.9%だった。