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「キラキラ広報女子」たちが駆逐論に反発 「私たちは需要があるからやっているんです!」

会社のイメージアップやPRに、日々勤しんでいる広報部。中でも自らメディアに顔出しで登場する若い女性広報部員は「キラキラ広報」と呼ばれ、業界の華やかなイメージの一翼を担っている。

そんな中、ある会社の現役男性広報が書いた「キラキラ広報を駆逐したい」と題するブログ記事が、ネット上で話題になっている。筆者は「六本木ヒルズのIT系企業」の広報部門で働く山本恵太氏。書き出しから厳しい批判を展開している。

「広報ぺーぺーの僕が偉そうに言うことでもないんですけど、キラキラ広報とか頭悪いからやめてくれないかなーという話です」

チヤホヤする記者にも「ホントやめて」と注文

山本氏は、ほとんどの広報が「真面目に黒子(くろこ)として」働いているのに、キラキラ広報のイメージによって「広報って楽しそうな仕事だね」と言われるとイラつくと明かす。担当がキラキラすることが、企業の広報戦略に組み込まれているならまだしも、

「(目立ちたい)本人の戦略とか、もはや戦略も無くて本人が本能的にキラキラしたいだけだったり、まわりから美人だねーかわいいねーとチヤホヤされて勘違いしてるだけだったりじゃないですか」

1203pr1と批判し、表に出てこなくても会社のことを一生懸命考えている「歴戦のお姉さま」の方が「何倍もキラキラ輝いてるよ!」と主張する。さらに「美人広報」を特集する記者に対しても、「ホントやめてほしい」とクギを刺している。

確かに広報は、メディアを通じて会社の事業や商品をPRするために、リリース文書を作成したりメディアと交渉したりする地道な仕事が多い。記者からの問い合わせにも確かな対応が求められるので、会社の戦略から事業や新商品まで理解している必要があり、常に勉強を怠ることができない。

「広報ぺーぺー」の山本氏はこの仕事を始めて数年目と推測され、華やかな印象の裏にある地道な仕事の実態を知れば知るほど、イメージとのギャップの大きさを痛感しているに違いない。ツイッターには、山本氏のブログに共感する声もあがっている。

「これは前から思っていた。広報にキラキラ女子を配置する会社は一体世間にどう見られたいのだろうか?」

露出によって会社が知られれば「それもまた成果」

では、当の「キラキラ広報」たちは、この批判をどう受け取っているのだろうか。都内のベンチャー企業で広報をしているサユリさん(24歳)に話を聴くと、「たしかに若手広報女子の中には軽薄な子も一部にいますけど」としながら、「多くは真剣に仕事をしています」と怒り心頭の様子。自身がメディアに登場する理由を、こう説明する。

「メディアの方は男性が多いですから、若い女性の方が喜ばれるということはあります。会社の方もそれを分かっているのか、上司も取材が来ると『若い子が行った方がいい』と言って私を前に出すんです。でも、表に出るからにはしっかり勉強しますし、キラキラしたくてやっているわけではありません」

自ら表に出るからといって、本来の仕事をおろそかにしているわけではないという主張だ。別のITベンチャー企業広報のミカさん(23歳)も、自身がメディアに露出するのはあくまでも会社のためだと語る。

「IT企業だと、よほど革新的なサービスでない限りメディアに取り上げてもらえないので、少しでも会社の名前を広げるために『美人広報』といった企画でも出ています。取り上げ方には批判もありますが、需要があるから特集が組まれるわけで、別に構いません。それで会社の名前を知ってくれる人が増えたら、それもまた成果です」

まずは自分がメディアに取り上げられることで、会社の名前を知ってもらい、そこから事業や商品、サービスのPRにつなげることをねらっているようだ。

山本氏の会社にも「伝説のキラキラ広報」がいた?

人材系ベンチャーのマユミさん(25歳)は、キラキラ戦法を使えない男性の山本氏が、女性広報に嫉妬して書いたのではないかと推測した。

「自分ができないことをしているのが、よほど気に入らなかったんじゃないですか?」

また、マユミさんによると、山本氏の会社にはかつてTさんという「伝説のキラキラ広報」がいたはずだと明かす。創業時から一部上場を果たすまで会社が成長していく過程で広報を務め、現在も若手広報女子の間では「憧れのレジェンド的存在」なのだという。

「当時のあの会社の広報戦略というかメディア工作は、Tさんによるところがとても大きかったと思いますよ」

マユミさんは、「キラキラ広報の力を一番知っている会社の人が、どうして今になって批判するんだろうという気持ちです」と首を傾げていた。

あわせて読みたい:スピーチは道重さゆみに学べ

 
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