食べきれなかった外食「持ち帰りたい」7割 でも実際にしたのは3割程度「お店が対応しているか分からない」のが高いハードルに
日本の食糧廃棄処分量は年間621万トン。今年に入り廃棄せざるを得ない食事を安価で購入できるサービスが提供されるなど「食品ロス」に関する機運が高まっている。リクルートライフスタイルは5月23日、外食で食べきれなかった料理の持ち帰りについてのアンケート結果を発表した。
調査は今年2月にインターネットで実施し、首都圏・関西圏・東海圏に住む20~69歳の男女1万7062人から回答を得た。
直近1年で「外食で料理を食べきれなかった」経験がある人は58.7%で、過半数が回答している。特に20~40代女性では6割以上が経験しており、地域別に見ると首都圏が60.5%と東海・関西圏よりも高い結果となっている。
「移動中の汁こぼれや匂いが心配」と懸念する人も
食べきれなかった経験があると回答した人に持ち帰り意向を聞くと、全体で67.8%が「食べきれなかった際には持ち帰りたい」と答えた。男女差はほぼないがやや女性の方が多く、女性40~60代では7割を超える人が回答している。地域別に見ると、東海圏だけが7割を超えていた。
食べきれなかった際、実際に持ち帰ったことがある人は35.4%。性別・年代別に見ると、男性は全ての年代で3割程度に留まるが、女性は20代で24.8%、60代で43.1%と、年代が上がるほど持ち帰り率が高まる傾向にあった。東海圏は持ち帰り率が44.4%で、3圏内中最も高かった。
「持ち帰りたかったが、持ち帰らなかった」人も33.5%いる。特に20代女性は41.2%と高い。食べきれなかった料理を持ち帰ることに対してどのようなことにハードルを感じるかと聞くと「持ち帰りができる飲食店なのか分からない」(51.8%)が最多だった。
続いて「持ち帰る際、移動中の汁こぼれや匂いが心配」(33.3%)、「持ち帰りができない飲食店がある」(32.6%)となっている。特に20~50代で「持ち帰りができる飲食店なのか分からない」という回答が目立った。同社は、
「飲食店側で、持ち帰り対応の可否の明示や気密性の高い容器を用意することができれば、より外食で食べきれなかった際の食品ロスを減らせる余地があるのかもしれない」
とコメントしている。
20代女性の半数「持ち帰って食べれば食費が浮く」
食べきれなかった外食の持ち帰りは「賛成」が87.6%で多数派となった。理由としては「残す(捨てる)のはもったいないと思う」(85.3%)が最多で、次いで「食品ロスの対策として有効だと思う」(55.9%)、「持ち帰って食べれば食費が浮くと思う」(39.5%)、「注文したら責任を持って食べきるべきだと思う」(39.4%)と続く。
「持ち帰って食べれば食費が浮くと思う」(39.5%)に関しては、20代女性が50.4%で最多となった。
一方、「反対」(12.4%)と回答した人からは「食中毒など衛生面の不安を感じる」(22.7%)が最多で、「持ち帰る際、移動中の知るこぼれや匂いが気になると思う」(18.3%)、「できたての味・本来の味ではなくなると思う」(13.7%)と続く。