通販生活は1月1日、意見広告の動画「9条球場」をYouTube上で公開した。憲法改正への賛成・反対を呼びかけるテレビCMの量を規制をしないという日本民間放送連盟の方針に疑問を投げかけるものとなっている。
動画は野球場が舞台。ユニフォームに「KAIKEN(改憲)」のロゴが入ったチームと「GOKEN(護憲)」のロゴが入ったチームの試合が始まろうとしている。
「イギリスやフランスのように『有料CM禁止』が公平」
ただし、両チームの人数は同じではない。改憲派はグラウンドを埋め尽くすほどの大勢の守備を配置している。護憲派のバッターがヒットを打つが、すぐに捕球されてアウトになってしまう。動画には、
「改憲賛成側は、お金持ちの大政党や大企業がついているのでたくさんのCMが流されて……」
「憲法改正の国民投票がこんな不公平な試合にならないか心配です」
というナレーションが入る。改憲派が圧倒的な資金力を背景に多数のCMを流すことを危惧しているようだ。『通販生活』を発行するカタログハウスはプレスリリースで、
「資金力のある政党や企業が有利となり、国民が判断するための情報として公平ではなくなる(中略)テレビCMが憲法9条改正を推し進める側の主張や企業に偏ることで不公平な国民投票になりうる」
と警鐘を鳴らしている。
また動画の最後では、「国民投票のテレビCMはイギリスやフランスのように『有料CM禁止』が公平だと思います」とも主張した。この動画は7日までに2万回以上再生された。
民放連は2018年9月、改憲の賛否を問いかけるテレビCMの放送本数や放送時間については自主規制しないと表明した。しかしその後も、立憲民主党や国民民主党の議員からは、量の規制を求める声が出ており、立民党は今後政党が投票を働きかけるスポットCMの全面禁止を求めていくという。
また12月には、投票日の14日前から改憲について意見を表明するCMも放送しない方針を明らかにしている。国民投票法によると、改憲賛成もしくは反対への投票を直接勧誘するCMは投票日の14日前から放送することができない。「改憲に賛成」「反対」と単に意見を表明するCMについては制限がなかったが、14日前からはまとめて規制することになった形だ。