「IBM社員からアイドル」に異色の転身 収入激減しても「意識高い系だけが正解じゃない」 | キャリコネニュース
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「IBM社員からアイドル」に異色の転身 収入激減しても「意識高い系だけが正解じゃない」

「IBM辞めてアイドルになったけど質問ある?」。1月下旬、2ちゃんねるにこんなスレッドが立てられ、ネット上で話題を呼んでいる。

スレ主はアイドルグループ、クエス?チョン(旧パズルガールズ)のメンバー、濱ヶ崎美季さん(26)。当初は名前を明かしていなかったが、スレ内で指摘されると自ら認めた。新卒で入った日本IBMに3年間勤務した後、アイドルとして「歌って踊ってビラを配るまで」に至る経緯が語られている。

「死んだ魚の目」をしながらコードを書く日々

謎解きアイドル、クエスチョン(濱ヶ崎さんは一番左)

謎解きアイドル、クエス?チョン(濱ヶ崎さんは一番左)

濱ヶ崎さんは立命館大国際関係学部出身で、就職活動ではSI業界を志望。NTTデータやアクセンチュアなどを受験していた。プログラミング経験はなかったが、TOEIC980点を武器にIBMに内定した。

「もの作りをしたい」という動機で入社したが、「その三年後、死んだ魚の目をしながら必死にコードを書いているんだがな」と、現実はかなりきつかったようだ。プロジェクトに入っても、コードが書けないので「完全にお荷物状態」だったという。それでも必死に勉強し、連日連夜の残業をこなしていた。

「設計、実装、テスト、リリース」のサイクルを半年ほど繰り返していたころ、ふと「私は誰を幸せにするために、これを作ってるんだっけ?」という疑問が湧いてきた。その後、プロジェクトを移って余裕ができたが、

「根本的なところで仕事にモチベーションがないと、 この先長い職業人生を生き抜けない気がした」

そして、転職活動を開始することに。しかし中々決まらず、面接官には「コード書いてる姿が想像できない」とまで言われてしまった。そうした中、アイドルオーディションの告知が目についたのだ。

「世間が良いとしているものが、自分の幸せとイコールではない」

当時濱ヶ崎さんがハマっていたのが「リアル脱出ゲーム」という、参加型の謎解きイベント。それを企画しているSCRAPという会社が、アイドルグループ、パズルガールズのメンバーを募集していた。

しかも、ただのアイドルではなく、自らイベントを企画することもできる。濱ヶ崎さんはすかさず応募し、見事合格。2013年に加入した当初は会社員と二足のわらじ状態だったが、やがてアイドルとしての活動が増えていき、2014年3月をもってIBMを退職した。

収入は当然IBM時代から大幅ダウン。現在は貯金を切り崩しながらバイトをし、家もグループのメンバーとシェアをしている。しかしそれでも、「TOKYO IDOL FESTIVAL」への出演や、「日経ソフトウエア」での連載など、普通の社会人では得難い経験ができたことに満足しているようだ。

「世間が良いとしているものが、自分の幸せとイコールではないって分かってからは大分生きるのが楽になりました。意識高い系だけが正解じゃない。お金にはなりやすいかもしれないけど」

IBMに戻りたいとは「一回も思ったことない」

そんな濱ヶ崎さんは、2月24日のライブを持ってグループを卒業する。今後は、「エンジニアアイドルとしての発信力を高められる企業」で働くとともに、イベントやオリジナル番組の制作をしていくとしている。また会社勤めになるようだが、IBMに戻りたいとは「一回も思った事ない」ということだ。

キャリアバリバリのIBM社員から一転してアイドルに。華麗な転身はネットで反響を呼び、「こんな人生もあるのか。努力して可能性を広げる好例」「なんか感動的だな」といった声が出ていた。

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