【ワンオペ育児】前田敦子主演『伝説のお母さん』は”リアルさがしんどい”? RPG世界で魔王討伐を命じられるも保育所に空きがない | キャリコネニュース
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【ワンオペ育児】前田敦子主演『伝説のお母さん』は”リアルさがしんどい”? RPG世界で魔王討伐を命じられるも保育所に空きがない

主演:前田敦子さん

主演:前田敦子さん

前田敦子さんが出産後初の主演を務める深夜ドラマ『伝説のお母さん』(NHK総合)の第1話が2月1日、放送された。

原作はかねもとさんの同名漫画(出版社:電書バト)だ。ファンタジーRPGの世界を舞台に、「ワンオペ育児」「保活」「待機児童」など、現代の子育てを取り巻く問題をコミカルに展開する”コメディ社会派ファンタジー”とでもいうべき作品だ。

第1話は「ほいくしょがあいていない!」。初回放送について、ツイッターでは「あるあるすぎて泣いたり笑ったり」「いろいろリアルさが悲しくてちょっとしんどい」など共感の声が相次いでいる。(文:篠原みつき)

「子育てを後回しにした人類の負けですね。おとなしく滅びましょう」

主人公のメイ(演:前田敦子)は、かつて仲間の勇者たちとともに魔王を封印した伝説の魔法使いだ。王国では10年ぶりに魔王(演:大地真央)が復活し、国王の使者・カトウ(演:井之脇海)がメイのもとに訪れ魔王討伐の旅に出てほしいと頼む。

しかし今のメイは8か月のひとり娘・さっちゃんをワンオペ育児中。保育所に預けようにも空きがない。夫はアテにならず、実家は遠いというありさまだ。

ダメ元で並んだ保育所の申し込みは「100人待ちで2年2か月後」だという。「そんなんじゃ魔王討伐終わっちゃいますよ!」と嘆くメイに窓口の職員はこんな言葉を言い放つ。

「子育てを後回しにした人類の負けですね。おとなしく滅びましょう」

現実の職員なら絶対に言わないような暴言ではあるが、あまりにも的を突いている。子育ての問題はある意味人類存亡に関わる問題なのだ。ネット上では「霞が関方面に聞かせたい」など、このセリフを引用したツイートが複数あがり共感を呼んだ。

夫はまったく頼りにならない 「うんちの世話は男にはハードル高いだろ」

メイの敵は魔王というよりも、育児のため旅に出られないメイに対して「そんな理由で来ないなんて」と腹を立てる国王(大倉孝二)や、「育児は母親がするもの」という認識の夫・モブ(玉置玲央)の存在ではないだろうか。国のトップは子育て政策に興味がないし、夫は亭主関白というより父親としての自覚がない。お世辞にも子育てしやすい環境とはいえないのだ。

そんな折、モブが仕事をクビになり「専業主夫になる」と言い出した。だが、自分の子どもなのに「俺が見ててやるよこの子」と他人事のように言い、メイが帰ってくると部屋は荒れ、まったく世話ができていない。

「うんちのオムツ換えるのは男にはハードル高いだろ」
「やっぱ子育ては母親のほうがいいんだよ」

などと開き直り、子どもの泣き声にも構わずゲームをやり出す始末だ。そんな夫に腹を立てて叫び散らすメイだったが、「うるさい」と怒鳴られると強く返せない。このとき「ごめんなさい」と謝るメイの表情がなんとも切ない。

夫に任せておけない、文句も飲み込まざるをえない諦めがにじみ出ており、目頭が熱くなってしまう。なぜ文句を言えないかといえば、メイ自身が「子育ては母親がすべき」と思い込んでいるからだろう。

魔王討伐という大仕事を前に、子育てはどうなってしまうのか?

舞台は王国風のセットが組まれ、ファンタジー感満載。折々に解像度の粗い懐かしいRPG画面が使われ、ユーモアがある。これだけ「フィクションですよ~」と作り込みながら、子育てを取り巻く問題はリアル過ぎて身につまされる物語だ。

しかしこれは、単に育児の大変さをアピールする話ではないだろう。子育てする人の目線に立って、無理解な周囲や制度の不備などをマンガ的なファンタジーで風刺し、笑い飛ばしながら知ってもらいたいという思いを、ひしひしと感じるドラマだ。

ラストはついに仲間たちと旅に出るメイだったが、魔王討伐という大仕事を前に、子育てはどうなってしまうのか? 冒険の仲間たちは子育てをどう捉え、困難を乗り越え成長していくのか、今後の展開が楽しみだ。魔王討伐といえばファンタジックだが、いわば”産後の仕事復帰”。子育て中のご家庭はもちろん、そうでない方々もご覧いただき、楽しみながら子育てについて考えてみてほしい。

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