新型コロナウイルスの影響が長引き、小売現場で働く従業員の疲労はピークに達しつつある。キャリコネニュース読者からも、「点数制限をしているのに、わざとレジに大量持って来る」(神奈川県/50代女性/ドラッグストア)といった声が寄せられている。中には迷惑な客を擬人化して
「マスクゾンビのいびり」(東京都/30代女性/ドラッグストア)
という投稿もあった。今回は3人のドラックストア従業員によるエピソードを紹介する。(文:鹿賀大資)
「こんな状態なのに、いつもより仕事を増やされて時短営業も休みもありません」
東京都の40代女性が勤める店舗では毎朝、開店前から長蛇の列となっている。商店街で営業しているため、周りの店舗にも迷惑がかかっている状況だ。店頭で品出しをしていても、マスクとトイレットペーパーの在庫を聞かれることが多く仕事にならないという。さらに、
「自転車から降りずに『ある?』と声をかけられます。人に尋ねる態度じゃない!自転車から降りろ!店内に並ぶ商品は売場に行って確認してほしい!私たちが売っているのはマスクとトイレットペーパーだけじゃない!」
と憤りを隠せない。なおも女性は心境を綴る。
「こんなに苛々している状態なのに、いつもより仕事を増やされて時短営業も休みもありません。危険手当やボーナスを出してほしいと思いながら、いつも嫌々働いています。この2か月でストレス性胃炎になり、胃カメラ検査をしました」
岩手県の20代女性が働いているドラックストアでも、「田舎なのに朝から40人以上の行列」をなしている。電話によるマスクの問合せは一時期よりも減ったが、開店と同時に客がなだれ込む光景は「見ていて恐怖でしかない」という。そうしたなか、
「店頭に設置してあるアルコール消毒容器が盗まれそうになりました。ないと気づいた時点で騒いだら、目の前で戻されたから未遂でした。“あわや”です。ほかにも、以前よりマスクの件でお客様のモラル低下が顕著になりました」
という。女性は「正直、精神的に参ることもあります」とこぼしている。
バックヤードまで突入しようとする年配女性
静岡県のドラックストアで働く30代男性は、在庫情報などについて貼紙やポップで促している。なおかつ店内放送でも告知しているという。それにも関わらず、
「開店の1時間以上前から並び、いざ開店すると『マスクねぇのかよ!先に言えよ!』と怒鳴られる日々。挙げ句の果てには『隠し持っている』と難癖をつけ、関係者以外立入禁止の金庫室や休憩室にまで突入しようとする年配女性も」
そうした客の迷惑行為のせいで、レジのパートや品出しのアルバイトの中には体調を崩してしまった人もいるという。連日のように罵声を浴びせられたためだ。男性は、
「とにかく節操がなさすぎる。本当に落ち着いた行動をしていただきたいです」
と警鐘を鳴らす。
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