「バリバリ働きたい」「のんびり働いてプライベートを大切にしたい」などと、現在は仕事に対する価値観も多様化している。しかし、企業の上層部からすれば従業員、とりわけ無期雇用の正社員ならば向上心を持って業務にあたってほしいのが本音だろう。
ガールズちゃんねるに4月下旬、「正社員である以上、成長することは義務なのでしょうか?」というトピックが立った。アラサーのトピ主は、新卒正社員で事務職として務めている。ところが、最近になり、管理職から高いモチベーションを持つことを求められているという。
ただ、トピ主は与えられた仕事を完璧こなせば良いと考えており、向上心を持つことに対しては後ろ向きであるために困惑しているようだ。(文:石川祐介)
向上心のない態度は「周りにも悪い影響を与える」
コメント欄には「給料は勝手に発生するんじゃないのよ。労働の対価だから。労働を売って発生した対価だから、その分ちゃんと働かないといけないのよ正社員は」と正社員であれば、最低限のモチベーションを持つべきという厳しい声が目立った。
「だったら正社員で雇う理由はないし、いつか人員整理の対象になっても文句は言えないんじゃない?」
「それ言っちゃうと『安定して都合よく生活費が欲しい』ということになっちゃうけど、そんな人をあなたは補償して雇うかな?」
向上心のない正社員を雇うくらいなら非正規労働者を雇った方が、雇い主にとってはコストパフォーマンスが高い。向上心のない人はクビを宣告された際、文句を言う権利がないとまで考える人もいた。
「上司から見て目に余ってきたんでしょう。そういう態度だと周りに悪い影響も与えるし、したいように働けばいいと思うけど、コロナもあってますます正社員だからって安泰ではなくなると思いますよ」
モチベーションがない社員がいると他の社員に伝染するリスクがある。会社は集団であるため、「私は与えられた業務だけやります」というスタンスは、確かにやや利己的なのかもしれない。
「モチベーションはある”フリ”をする」「多分ほとんどの人が同じ」
また、他には「ミスしなければいいって言うけど、そういうこと言う人ってミスしても足引っ張ってても自覚ないんだわ」という辛辣な意見も。上司は、トピ主に向上心がないことを咎めたかったのではなく、十分な能力がないことを危惧しているのかもしれない。
「モチベーションはある振りしとけ」
「口にしたり態度に出さなければ良い。多分ほとんどの人がそうだよ」
ダラダラ仕事をする人がいると会社の指揮を下げてしまう。そのため、モチベーションがある”フリ”をすることも正社員として働く上での処世術なのだろう。
一方で「そういうのめんどくさいから私は派遣」という人も一定数みられた。「私は向上心あります」という演技をしたくないのであれば、非正規労働者として働くことを視野に入れてもいいのかもしれない。