緊急事態宣言が発令中でも、出社しなければならない人はいる。だが、出社した職場で耳を疑う場面に遭遇する人は多いようだ。キャリコネニュース読者からは
「会社が実施したコロナ対策は、隣との席を数十センチ離しただけ。『早く帰って休むように』と言っておきながら残業ばかり」(神奈川県/20代男性/メーカー系)
といった経験談が寄せられている。(文:鹿賀大資)
会食自粛を進言すると社長が憤慨
北海道の50代女性が明かすのは、不動産業界に勤務する夫の会社での出来事。社長が朝礼で「こんな状況だからこそ、社員全員で美味しい物でも食べに行こうと思っている。どうだろうか?」という有り様らしい。それを見かねた女性の夫は「今は自粛するべきではないでしょうか」と意見をしたという。だが、社長は憤慨。その話を聞いた女性は、
「どう考えても35人もいる社員が行けば密!密!密!です。それにお店の人にだって迷惑をかけることになります。そういうことを全然わかっていないバカ社長に腹が立ちます。社員にだって家族や子どもがいます!」
と憤りを隠せない。さらに社長は「コロナが怖い奴は勝手に休め、その代わり給料はなしだから」などと豪語しているという。女性は続けて「パワハラ以外の何ものでもありません」と綴っている。
北海道の30代男性は、レンタカーの貸出業務を担当しているために「テレワークは不可能な仕事です」という。不要不急の外出を控える時期でありながら、実際に来店する客の中にはレジャー目的の人も多いようだ。
「そうしたお客さんは楽しそうでいいかもしれません。でもこっちは公共の交通機関で通勤して感染リスクを背負っているので、たまったもんじゃないです。本社に車通勤の許可をお願いしたら『レンタカーを使った通勤のみ許す』と言われました」
しかし、自宅には自家用車が止めてあるため、レンタカーを置くスペースはないという。男性は「優しくない会社です」と不満をこぼしている。
「最近まで岩手県に新店舗をオープンさせる気で満々でした」
宮城県で衣料品店に勤務する40代女性は、客と会社の板挟みに苦しむ。その店舗では、緊急事態宣言の発令後に客足が急増しているという。息抜きがてらに来店したと思われる大家族が、大騒ぎをしては長時間滞在するケースも目立ち「テーマパークと勘違いしています」と不満気だ。
「商品や店の備品を盗まれたり、服を試着して記念撮影してみたり。駐車場には見たことのない県外ナンバーが多数です。買い物をする様子からしても不要不急とは思えません。そんな客からはストレスを発散するように八つ当たりされて、ストレスを感じています」
会社は、あくまで生活必需品の販売と認識しており、休業の方針はない。さらに「コロナが怖いという精神的な休み希望も許可してないです」という。子どもがいたり、病気の両親を抱えたりする従業員も多い。入手困難なマスクや除菌剤の会社支給はなく、自前で購入している。
「会社はビジネスチャンスと躍起。積極的に集客しています。しかもこんな時期だというのに、最近まで岩手県に新店舗をオープンさせる気で満々でした。関東圏の本社からお偉いさんが巡回に来たり、大規模会議を開こうとしたり」
女性は続けて「そんな非常識な人のために辞めなければ、自分や子ども、両親を守る術はありません」と呆れている。
※キャリコネニュースでは引き続き【新型コロナ】緊急事態宣言でも出社しなくてはいけない人や「新型コロナで退職を決意した人」に関するアンケートを募集しています。