生活を一変させた新型コロナウイルス。経済にも大きな打撃を与え、退職を余儀なくされた人や、働き方を見直す人々が増えている。
茨城県で契約社員として働く30代の女性は、「お客様が来なくなり、暇なら早く帰らないといけなくなって給料が減らされた」と語る。
さらにコロナの影響で、急な人事異動があり、「今までと就業時間や休みが変わることになったので、辞めざるを得ない」と退職を考えている。
今回は、コロナの影響で退職を決意したキャリコネニュース読者の声を紹介する。(文:コティマム)
休業手当が8割→6割に「人件費削減してくれ」
企業の人材派遣部で正社員として働く30代の女性(東京都)は、コロナの影響で休業を余儀なくされたひとり。その際、休業手当のやり取りに不信感を抱いたようだ。
「4月上旬、会社が『休業手当を8割支給するので、バックオフィスを中心に休業してくれ』と。しかし翌週には『やっぱり6割で』。その約1週間後には『人材派遣部は人件費の削減をしてくれ』」
コロコロ変わる条件にただでさえ不安になるが、会社はさらに条件を突きつけてきたという。
「会社は詳しい状況を休業社員に何も説明せず、『派遣の現場に入るか退職するか』を迫る始末。完全に会社への信用を失いました」
休業するにしても、「いつまで休みなのか」「給与はいくら補償されるか」などの条件は明確にしてほしいもの。詳しい説明もなく、「退職」という選択肢をいきなり提示されるのも驚きだ。会社を信用できなくなるのも頷ける。
「従業員を大切にしない会社に先はない」
サービス業でパート・アルバイトをしている50代の女性(大阪府)は、コロナ禍での社員の対応に不満を抱く。
「上は労いの言葉すらなく、会社の売り上げを伸ばすことしか考えてない。社員が前線に立たず、アルバイトとパートを高リスクの前線に立たす。従業員を守らない会社の体制があまりにも理不尽すぎる」
同じように企業のコロナ対応に幻滅し、退職を決めた人も多い。
「対策が完全に現場依存となっている。後手に回っているうえ十分でなく、結果として社員やその家族への配慮が全く期待できず、失望に近い感情を抱くようになった。早いうちから時差出勤やテレワークに向けた自発的な調整を行う姿勢だけでも見せてもらえれば、もう少し見方が変わったのかもしれない」(正社員/千葉県/男性)
「上場企業で8割営業社員です。緊急事態宣言が出てからも、営業は在宅勤務不可で全員出社でした。お客様との商談はweb会議で済み、業務的に在宅可能でしたので在宅勤務を希望しましたが、『会社の方針は全員出社なので』と却下されました。時代に対応できていない上、従業員を大切にしない会社に先はないと感じ、転職を考えるようになりました」(正社員/東京都/女性)
社員を大切に考え早いうちから危機管理と新しい働き方に対応した企業と、後手後手にまわり社員からの信用を失った企業。今回のコロナは、緊急事態時に「頼れる企業」と「頼れない企業」をあぶり出した形だ。今後は、「コロナ時にどんな対策を行ったか」という点も、企業をチェックするポイントになるかもしれない。
※キャリコネニュースでは引き続き「新型コロナで退職を決意した人」や「新型コロナで散財したものは?」に関するアンケートを募集しています。