マツコ、「昭和のサラリーマンやりたかった」に「日本はこれから豊かになるという希望がなくなったのは大きい」と語る
マツコ・デラックスさんが7月20日の「5時に夢中!」に音声出演し、「昭和時代にサラリーマンやりたかった」という話題にコメントした。番組では、キャリコネニュースが8日に配信した記事を紹介。昭和のサラリーマンを「誰でもマイホームと家族が持てた」などとうらやむ投稿がネット上で話題になり、賛否が殺到したという内容だ。
マツコさんは、「サラリーマンをするなら昭和と今、どちらがいいか」聞かれると、
「私は個人的には、パワハラだったり労働環境が過酷だったりしても、昭和のノリの方が自分の性分には合ってるなと思う」
「逆に今のサラリーマンの子達とか、若い子に限らず、この環境で労働しなければならないジジイ、ババアたちを見てると、なんかやりづらそうだなあとは思う」
などと語った。(文:okei)
「私たちって、”あの頃の番組は全部面白かった”って思いがち」とテレビの話題に
司会のふかわりょうさんは、「私は昭和です。昭和大好き!昭和のテレビの勢いってすごかったじゃないですか」と、テレビの世界に飛び込む原動力が昭和のテレビ番組にあったと語った。
しかしマツコさんは冷静に、
「とかく私たちって自分が育ってきた幼少期や思春期のことを美化しがちな部分はあるから、『あの頃の番組って全部面白かった』って思いがちなんだけど。今見返すと結構雑だし、いい意味も含めてもっといい加減に作ってたよね」
と昭和のテレビを評した。マツコさんは今と比べると昔のテレビ番組のほうに雑さを感じてしまうようだ。
それも仕方ないと思う理由を、
「日本が戦後から立ち上がって復興してピークを迎えて今ちょっと落ちててという流れの中で、もう全てのジャンルにわたって経験を積み過ぎてしまったと思うんだよね」
「やっぱり人間って経験値を積んじゃうと、失敗をしなくなるし、頭でっかちになっちゃって、色んな意味みたいなものをそこに持たせたりとか、すごく考え過ぎてしまったりするじゃない。それの究極が今のテレビになっちゃってんてんのかなーって思う」
などと、成熟期が極まった今のテレビ業界を分析した。
全国民が”豊かさという希望”を、神のように崇める勢いが日本にはあった
現代は”不寛容社会”などと言われることがあるが、マツコさんは「(昭和も)決して寛容ではなかった。より厳しかったと思うし。でもそれは、夢や希望があったからだと思うのよ」とした上で、
「これからどんどん日本は豊かになって個人もみんな豊かになって、大きい家に住んでおいしいもの食べてっていう希望があって、それに向かって全国民が、思想のように神のように崇められる勢いが、日本にはあったわけじゃない。それが無くなったっていうのはものすごい大きいと思う」
とコメント。復興期から高度成長期という昭和日本には「夢や希望」があり、それがなくなった現代の現実を語っていた。労働環境が過酷だったとしても、昭和をうらやむ人がいるのもわかる、ということだろう。
なお、この記事は17日放送の同番組でも取り上げられ、歌手でコメンテーターの中尾ミエさんは、どちらというよりも「(夜の)12時には1日の仕事を終わらせようよ。早く寝ればみんな健康になって免疫も上がるんだし」などと理想を述べていた。無理な長時間労働は昭和後期から始まって、いまだに抜け出せないというよりネットの登場で酷くなった感もある。昭和への憧れもわかるが、ミエさんの意見にはまったく同感だ。