男性が「ハイスペック」と呼ばれる年収はどれほどだろうか。ガールズちゃんねるに5月下旬、「30歳で年収500万円の男性は本当にハイスペック?」というトピックが立った。トピ主は婚活中の女性なのか、男性の年収基準が気になっているようだ。
「世間的によく言われる、30歳で年収500万円の男性はハイスペックというのは本当でしょうか?そんな男性と結婚できる女性は一握りなのでしょうか?」
と問いかけた。国税庁の調査(2019年)によれば、30代男性の平均年収は34歳までが470万円、35~39歳で470万円となっている。500万円なら平均以上ではあるが、結婚相手として見るとどうなのか、トピックにはさまざまな意見が飛び交った。(文:okei)
「普通」「残業過多で500万なら低スペックだと思う」
トピックには2000を超えるコメントが寄せられた。多かったのは、「全くハイスペックではない」「普通」という声だ。
「残業過多で500万なら低スペックだと思う」
「都内だったら珍しくないよね。大手だったら女性でもそのぐらいもらってるし」
同じ30代といっても前半は後半か、地域によっても違うという声が多い。自身の夫が同じくらいという人は、皆声を揃えて「ハイスペックとは思わない。私も働いてるし、子供にお金もかかるし」などの実感をもらしている。
また、「そこから今後年収がどれくらい上がるかどうかのほうが大事」と、将来性を見据える人も。「将来有望な大手の会社にいる、公務員の中でも将来が確約されてる人、将来有望な資格持ち(医療や士業)とか」と書き込んでいた。将来有望と言っても”確約された将来”が続く人などめったにいないだろうが、思うのは勝手である。確かに、勤務する企業規模や資格などによって、収入差や給料の伸び率は全く違う。
女性たちのコメントからは、「30代で年収500万円」は、「比較的優良」ではあっても、「ハイスペックとまでは言えない」という認識がうかがえた。
「中途半端なお金より、家事育児に協力する男性がハイスペック」
一方で、「年収以外のスペックも見たほうが良いと思う」という意見も多かった。つまり「夫としての価値は年収だけでは決められない」という主張だ。
「年収1500万だとしても生活費を渡さないようなモラハラ男だったら、年収500万で全て任せてくれる優しい男性の方が絶対いい」
「今は中途半端なお金あってもダメなのよ。家事育児に協力する男性がハイスペックなのよ」
確かに結婚相手の”優しさ度”は、お金には替えられないもので、収入とも比例しない。年収だけで結婚相手を決められないのは当然の話だ。しかし、「30代で年収500万円がハイスペック」というトピ主の認識は、どこから来たのか。
昨年11月のキャリコネニュースで、「婚活女子の”普通の人”の定義『星野源みたいな容姿で年収500万円以上、かわいいね、ごめんねが言える人』という記事が話題になった。恋愛コンサルタントの鈴木リュウさんが、婚活女子が考える”普通の人”の定義を、「学歴は日東駒専以上の大卒か高専卒、容姿のイメージは星野源」などと説明。そのほか、清潔感がありデート中の振る舞いは優しく、会計もスマートにこなす、といった人物像が挙げられていた。すべて備えていれば、むしろ「中々のハイスペック人材」と記事は述べている。
つまり、婚活中の女性はこのくらいが「普通」と考えるが、客観的に見るとハイスペックでは?ということだ。トピ主はこれを漠然とはき違えたのではないだろうか。とはいえ、「そんな男性と結婚できる女性は一握り」というトピ主の疑問は、あながち間違いないではないかもしれない。