男性の仕事は出勤日が多いうえ、勤務時間も長い。
「3日に1回の休みでは疲れもとれない。楽な勤務でさえ朝6時から夜8時出勤で、早くても帰りは19時、遅くて21時。ひどい日は朝7時~8時から出勤し、昼12時頃まで勤務。間に1~2時間休憩が入り、夜の24時前まで勤務する。これが延々と続き、勤務日は家に帰り寝るだけ」
少ないときでも13~14時間拘束、もっと酷いと17~24時間拘束という過酷さだ。これだけ働いて手取り16万円とは、にわかには信じがたい。勤務時間を一般的な長さにするか、きちんと残業手当を支払ってほしいものだ。しかし、
「会社はまったく改善する気はなく、役員は十分な報酬をもらっているにもかかわらず、定時出勤・定時退社し、客足の減少を理由に社員のボーナスカット。地元の有名企業だが、その中身はずさんな経営・古臭い体質でボロボロ」
と男性は憤る。有名企業であってもブラック体質とは、恐ろしい話だ。
「若い運転士はデートでのごはん・同棲すらままならない人もいます」
茨城県に住む30代前半の男性(既婚/子ども1人)はバス運転士をしているが、
「人より早く起きて出社して、朝運んだ人を夜また乗せて走る長時間の勤務の割に、手取り15万円前後で(労働時間に)見合った給料がもらえていません」
と不満をもらす。しかも、このような待遇を強いられているのは男性だけではないという。
「嫁が公務員で安定しているので私はなんとか結婚・出産を経験できましたが、ほかの若い運転士はデートでのごはん・同棲すらままならない人もいます。同じような給料をもらえるなら、普通に9時5時の仕事がいいと思い、転職活動中です」
このままバス運転士の労働環境が改善されなければ、人材の流出は止まらないだろう。