女性が管理栄養士の資格を取ったのは、「学校給食から終末期まで、幅広い段階で関わることができ、職も失いにくい」と考えたからだ。たしかに、国家資格である以上そういった一面はあるのだろうが、
「正直、収入は低すぎると思います。地方では結婚し、パートナーの収入がないと生活できないレベルだと思います」
と訴えたくなるほどに給与が低い。これは女性にとって誤算だっただろう。幸い女性は結婚しているため生活はできているが、その生活はいろいろな意味で“カツカツ”だ。
「フルタイムで就業後はワンオペで夕飯作り、子育て。家事をこなすのに精一杯で、『今日も子どもと向き合えなかった』と反省しながら眠りにつきます。最近は低収入で家庭を犠牲にしながら働くことに疑問を持っています」
一児の母として、複雑な胸中を吐露した女性。管理栄養士に限らず、どのような仕事であっても、“やりがい搾取”と感じずに済むだけの賃金を得られるような世の中になってほしいものだ。