Z世代就活生の3人に1人が「就活やめたくなった」!? 「陽キャばかり得をすること」に強い違和感も…
新卒一括採用制度には企業側にメリットがある反面、就活生には「新卒で採用されないと人生終了」という恐怖が蔓延しているようだ。
NPO法人のキャリア解放区は、「Z世代の就職活動に関する意識調査」の結果を10月上旬に発表した。調査は、9月上旬にインターネット上で行われ、就職活動経験のある大学4年生(2025年3月卒業予定)と新卒1年目(2024年3月卒)の100人から有効回答を得た。(文:長田コウ)
「就職活動をしていて変だと感じたり、違和感を持ったりしたことがある」と回答した人は、全体の80%だった。
「新卒で採用されないと、人生の失敗だと見なされる」と考える就活生も
違和感を持ちつつ就活したら、当然メンタルにも影響を及ぼすだろう。「就職活動をしていて落ち込んだり、寝込んだり、就活をやめたくなったことがある」という人は、37%と、全体の3人に1人という結果となった。
違和感をもったこととして、上位にあがったのは「わかりやすい陽キャばかり得をすること」(31%)。陽キャは得するとわかっていながらも、実際に「グループディスカッションや面接で陽キャを演じた」と回答したのは、6%にとどまった。
その一方で、面接などで周りと比較されることが多いため、嘘をついてしまう就活生もいるようだ。就活経験者の29%が「面接やESで誇張したりコピペしたりの『いつわり』を含めてしまっている」とわかった。経験者からは、こんな声があがった。
「エントリーシートや面接で話を盛った」(18%)
「第一志望ではないのに、第一志望だと言った」(17%)
「エントリーシートや面接で嘘をついた」(10%)
「他人のエントリーシートの文面をコピペした」(9%)
言うまでもなく学生の本分は勉強だ。ところが、「大学の勉強より就職活動を優先しないといけないこと」に違和感を持ったという就活経験者が、27%という結果に。実際に、「就職活動のために大学の授業を休んだ」という回答は、28%にのぼった。学業と就活の両立に負担を感じていることがうかがえる。
他には、「新卒で採用されないと、人生の失敗だと見なされること」(20%)、「就活をやめたら、普通のレールに戻れなくなること」(15%)に、恐怖を感じている様子も浮き彫りになった。新卒一括採用制度も不安や焦りを感じさせる要因と言えそうだ。また、就活生ならではの、こんな悩みも浮き彫りになった。
「就職活動のときは、いつもリクルートスーツを着なければいけない」(23%)
「ドアの開け方や着席のルールなど、謎のルールが多い」(22%)
大学3年生になって、急に、夢とは、自分とは、と向き合わなければならないことが増え、心が疲れてしまうこともあるだろう。周りと比較せず、自分なりの、納得いく就職活動ができることを願う。