ブラック企業で劣悪な労働環境に置かれ、精神的に異常をきたす人が後を絶たない。技術職の40代女性は「サービス残業は当たり前。早出の強制。公休日出勤も代休なし。正職員からパワハラ、モラハラを受けてパートスタッフはうつ病、またはうつ状態で退職に追い込まれている」と、実情を明かす。
他のブラック企業経験者は、どのような環境下で働き、体調を崩してしまったのだろうか。(文:林加奈)
“無視・暴言・恫喝”が当たり前の同族企業
技術職の50代男性が過去に勤務した会社は、親族優先の同族企業だった。
「無視、暴言、恫喝がまかり通ってました。給与水準が生活保護より少し高めで、経営もきついのに社長はレクサスの最高級車に乗り換えたり、仕事でミスをすれば飲み会の時に周りの客の目につく場所に正座させ、社員から説教が続く。また就職希望者の履歴書をみんなで回し見したり、気に入らない社員を陥れて辞めさせたりと最悪で、私はうつ病になりました」
と、つらい経験を語った。現在は転職して別の会社に勤務しているという。安すぎる給与だけでなく大勢の前でのパワハラがあったり、個人情報の扱いが粗末だったりと、モラルのなさが露呈していて、企業体質はブラックそのものだ。
「月の残業時間160時間でも、残業代は月に”120円”。時給1円未満」
クリエイティブ職の50代男性も、ブラック企業に勤めていたうちのひとりだ。自身は体調不良になったわけではないが、体調を崩した人が続出していたという。
「2年間でにいきなり奇声を上げる・泣き出す等精神に異常をきたして辞めた人3人、廃人同様で部署変更が1人、週2日完全徹夜で残業して月の残業時間は160時間。残業代は120円と1時間あたり1円以下…」
男性自身もこうした職場に耐えられず、辞表を出したが「進退を決めるのは会社だ!」と激怒されたという。結局、労基を頼って退職できたものの、被保険者証を発行してもらえず、再就職の邪魔を受けたと綴っている。
こうした回答を総じてみると、ブラック企業には精神的な病気になりやすい条件や環境がそろっているとも言える。「ほぼ毎日16時間拘束。精神に異常をきたしたので辞めましたが20年以上たつ今でも完治していない」と、長期にわたって体調不良に苦しむ人もいる。少しでも体に異常を感じたら、早めに診察を受けるか、転職するなどの選択肢を検討してみてはどうだろうか。
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