年齢が30代後半から40代半ばとなった就職氷河期世代は、ふとした折に人生を振り返り悲しい気持ちになることが多いようだ。10月末のガールズちゃんねるに「氷河期世代のためのトピ」というトピックが立った。トピ主は年齢を明かしていないが、
「私はこんないい歳になっても新卒のときより月収3万上がっただけです。独身なのですが、一人暮らしするにはキツい額です」
と明かす。「同士たちはいかがお過ごしかな」と問いかけると、自分の人生を振り返り辛さを噛みしめる人が相次いだ。(文:okei)
「老後が本当に怖いです」「手取りは14万で20歳の頃と変わりません」
就職氷河期世代とは、主に1993年~2005年に就活に苦戦した世代を指し、リーマン・ショック後の2011年~2013年卒も「超氷河期」と呼ばれた。トピックには、未来に希望が持てない人の声が多数寄せられている。
「43歳独身。もう人生なんもかんも諦めてる」
「生きていける最低限のものがあればいいやと最近思ってしまっている」
「独り身の今年43歳です。今も非正規雇用のままで老後が本当に怖いです。ボーナスもなしで年収も低いですしカツカツですよ。貯金もほぼ無いしもう人生に絶望してる」
女性の30代後半~40代といえば、一般的には結婚して子どもがいる人も多い年頃だ。しかし、就活で躓きキャリア形成が難しかったこの世代は、結婚どころではない人が多かっただろう。相手となるはずの男性も同様と推察される。諦めは心の養生というが、「子ども欲しかった」という声が実に切ない。
コロナで派遣切りされたという人も多く、「39歳。ようやく勤務先が決まったものの、週5勤務ではないし独身だし貯金もなくなったし」など、非正規で不安定な身の上を嘆く人が相次いでいる。
中には、「私も2001年卒で、コロナ前にようやく正社員になれた」という人もいたが、
「手取りは14万で20歳の頃と変わりません。(中略)ようやく貰えるボーナスは、コロナのせいで少なそうです」
と、見通しの暗さを綴っていた。
「不妊治療は諦めようとしたら保険適用にするとか言う」
好調な人や時代と自分を比較して悔しがる声も目立つ。例えば、菅義偉首相は2年後をめどに不妊治療を保険適用の対象にする方針を明言しているが、
「お金ないし不妊治療したけど出来なくて諦めようとしたら保険適用するとかいうし、とことんついてない世代だわ」
とタイミングの悪さを嘆く人もいた。
「なんで氷河期世代に当たっちゃったんだろ…」とつぶやいた女性は、
「妹のときは就職楽そうだった。そんな飛び抜けて良い大学でもなかったけど大企業に就職して給料も良かったし、何より就活がすぐ終わってた。100社以上受けるの当たり前だったのに」
と、当時の過酷さを振り返る。バブルのときは子どもで実感がなかったという人も多く、こうなると、世の中の良いことすべてが自分を素通りしているような気持ちがしてしまうだろう。
好調に乗れないどころか親子で悪い時期にぶち当たったという嘆きも少なくない。
「娘が大学3年生で、このコロナの影響で就職がどうなることやら心配しています。親子に渡り氷河期ってホントこの世代はついてない……」
「自分を含めて周りの人ダブル氷河期多いわ。バブル世代の兄と数年前に就職した姪が羨ましい」
リクルートキャリアが公表した2020年10月1日時点での大卒者の内定率は88.7%。さほど低くないようにも見えるが、前年の同月差は-5.1ポイント。2018年は94.0%だったことを思えば、厳しくなっていることは否定できないだろう。コメントの中には、「氷河期世代とか言い訳」などの自己責任論もあったが、「たまたま、時代が悪かった」という側面はいつでも誰にでもある。近況とともに愚痴を言うくらいは許していただきたいものだ。