「介護職員でしたが、夜勤の仕事が終わらず、定時に帰宅できない日は多くありました。従来型の特養なので仕事量が多く、記録物が時間内に終わりませんでした」(その他/20代後半/男性/正社員/年収400万円)
「介護職として訪問介護にあたっています。意外とキツイです。オムツ交換、入浴介護など身体的に辛い仕事もありますし、利用者様からの愚痴を聞いたり暴力を振るわれることもあります。給与は同業他社に比べ多少少ない感じです。訪問の間の移動時間は勤務時間に含まれません」(その他/40代前半/男性/正社員/年収321万円)
「介護職なので本当にやりたいかどうかが問われます。好きでなければ長くは続かないでしょう。入居者との話し合いやその家族ともどんどん話していかなければならないので、担当を持ったら忙しくなります。またリーダーになれば、給料は減り残業時間がどんどんと増えていきます」(その他/20代前半/男性/正社員/年収300万円)
体力を使う長時間労働に施設利用者からの暴力など、やはり大変な環境である介護職。「好きでなければ長くは続くかない」という言葉には重みがある。
「給与が安い」という理由で介護職をすでに退職した30代前半の男性(その他/正社員/年収350万円)は、介護職スタッフの実態について下記のように語る。
「『一生介護職をやっていきたい』という人以外には、高齢者介護を続けるのは難しいと思う。ずっと同じ施設の中で働き続け、接するのは居住する高齢者のみなので、大学を卒業してもビジネスマンとしてのスキルは身につかない。転職を繰り返し、あらゆる仕事が続かないような人も採用されているが、給与はそんなに変わらない。『どこにも就職できなかったら最後に応募する』という選択肢でいいと思う。中高年になっても、何もできなくても、腰が悪くなければ採用される」
もちろんプロとしてのスキルを身につけ、成長し続ける介護職の人もいるだろう。しかし男性は「介護職でビジネススキルを身につけることは難しい」と判断したようだ。
「成果や努力の跡を賞与で反映する姿勢が見られた」という職場も
「介護職」と一括りに言っても、働きやすさや環境は施設によって異なる。スタッフの働きやすさや待遇面をしっかり考えている職場であれば、仕事内容がハードでも、納得して働き続けることができるだろう。
「環境は介護職にしたらとてもいいほうだと感じた。正規社員ではなかったが、給料明細を見て満足する感じであった。不満な点は職場の匂いが臭いのと、緊急事態になることが多々あったり、駅から職場が遠いところ」(介護・ケア関連職/20代前半/男性/契約社員/年収200万円)
「妊娠・出産をされる女性にとっては、サポートが充実している職場環境だと思う。介護職でもお腹が大きくなるにつれ、業務量の調整や業務内容を見直してもらえる。出産間近になると、事務職等への配置換えも臨時で行ってもらえ、非常に安心する。産休もしっかりと取れ、手続きも行ってもらえる。復帰も子どもの育児を優先し、配慮してもらえる。女性が多い職場の為、女性に対し気を遣って頂ける職場だと思う」(介護・ケア関連職/40代前半/正社員/年収500万円)
「施設管理者であれば、この業界としては高水準の給与であったと認識している。賞与額はやや少なかったとはいえ、年に2度支給頂いたことに感謝している。成果や努力の跡を賞与で反映する姿勢が見られたことは高く評価したい。改善点をひとつ挙げると、介護施設部門での一般職員への給与は上方修正の余地があったと思う。現在、平均的な一般の介護職への報酬額も少しずつではあるが底上げの傾向が見られ、そういった点を考慮しての検討があると尚良いのではないかと感じる」(介護・ケア関連職/30代前半/男性/正社員/年収380万円)
労働に見合う対価や賞与が与えられ、ライフステージの変化にも柔軟な対応する職場では、やはり職員の満足度は高くなるようだ。働き方改革が進められている今、介護職全体の報酬の底上げや福利厚生の充実、柔軟な勤務スタイルなどが一層求められる。