生きるために仕事は大切だが、それで身体を壊しては本末転倒だ。労働環境がひどく体調不良に陥るようなら、さっさと辞めてしまうのが正解かもしれない。宮城県の40代男性は福祉用具工場のメンテナンス員だったが、4か月で退職した。その理由について、
「力仕事が多すぎて、左半身に痺れが出た。病院で診断書をもらったが『勝手に身体に負担のかかるやり方をしたのが悪い』と労災を拒否されたので辞めてやった」
と明かす。また「工場特有の臭いもひどかった」ことも退職を後押ししたようだ。幸いなことに、仕事を辞めた今では身体の痺れも回復。男性は別の職場に転職を果たしている。ほかにも、キャリコネニュースに寄せられた「労働環境がひどくて仕事を辞めた人」の声を紹介しよう。(文:大渕ともみ)
「人口増加に区の対応が追いつかず、学校の図書室に100人近い子どもがいる状況」
東京都の50代女性は学童保育で子どもたちの預かりの仕事をしていたが、4か月ほどで辞めてしまった。女性は「時給が低いのに、精神的に重労働でした」と振り返る。「暴れる子が多くて、先生の注意も聞けない。大きな声で騒がれるので、耳が聞こえづらくなりました」と過酷な労働環境を明かす。さらに、
「人口増加に区の対応が追いつかず、学校の図書室に100人近い子どもがいる状況。笛を吹いて子どもたちを静かにさせるのですが、まるで家畜のようだと思いました。狭いケージに犬を閉じ込めるブリーダーさながら……怖かったです」
と保育環境としても劣悪だったことを告白。「学童保育の先生たちは心も身体もくたびれていて、キリキリしていました」と女性。学童保育の仕事を辞めた現在は体調も安定し、派遣社員をしている。事務の仕事で年収200万円を得ているが「耳の聞こえはいまだに悪いです」ともらしている。
「朝礼で『派遣社員は契約社員やパートより時給が高いから』と話された」
栃木県の30代女性は「プラスチック容器の下請け会社に派遣され働いていましたが、2日で辞めました」と切り出す。
「空調設備があるとはいえ、塗料の匂いがきつい。また指導係は16時上がりのパートタイム勤務で、就業まで残り1時間の時間帯は不在でした。しかし職長は『派遣社員イコール即戦力』の考えで、作業補助には入社1週間のド新人をつけられました」
いくら即戦力を期待される派遣社員といっても、入社翌日から完璧な仕事をできるはずがない。女性は「わからないことを質問したら『私に聞かないで、別の人に聞いたら』と言われたり、朝礼で『派遣社員は契約社員やパートより時給が高いから』と話されたり。イヤでしたね」と職場での扱いを振り返る。体調不良に陥った女性は会社を休み、そのまま退職。
「辞めてから、体調不良が治りました。ストレスだったんでしょうかね?」
健康を取り戻した女性は、現在も派遣社員として別の職場で仕事をこなしている。
※キャリコネニュースでは引き続き仕事を即行で辞めた人や「テレワークで快適なこと・つらいこと」などのアンケートを実施しています。