新人の部下が会社の社内報を作成したときのことです。主任までチェックをしていたのですが、期限も迫っており、社内報ということもあり、最終の課長までチェックを飛ばしてそのまま印刷をしてしまいました。
その中に「地域に貢献する防火グループを結成」という記事がありました。刷り上がってから気づいたのですが、その中の「防火」という文字が、すべて「放火」になっていたのです。各部署へ配布するのみの段階まで進んでおり、既に打つ手はなしという状態……。
当時のミス記事、すべて逆の意味になるので以下そのつもりでご覧ください。
地域貢献のため自主的に放火活動を行う!
放火の重要性を啓蒙し、組織全体で放火に取り組む!
最新の放火グッズを導入!
重点放火地域や避難経路を設定し効率的に対応する!
プロが指導する訓練風景(消火栓にホースを繋いで放水している写真を掲載したのですが、記事内で放火放火言いすぎて可燃物を撒いているようにしか見えない)
……完全に犯罪者集団です!の状態で刷り上がっておりました。
ここまでひどいミスだと「なぜ?」という憤りしか感じませんでした。校正を一旦作成後、二重チェックおよび三重チェックをしなければならないと改めて痛感した次第です。
「特に重い雰囲気になることもなく、妙な連帯感が生まれていました」
社内報で、会社内であったからまだよかったです。もしこれが外部から委託された発注であったら……と思うと恐ろしい。会社のイメージダウンはやむを得ません。せめて社長からはお怒りの言葉があると思いましたが、あろうことか爆笑で穏便に事なきを得ました。
このミスをどう乗り越えたかといえば、実務的には社内朝礼でお詫びをし、修正し、刷り直し。ミスの経緯を調査して再発を防止するフローに組み替える仕組みづくりを構成しました。
刷り直し費用は、次回の社内報の予算から削りました。社内報でもミスはゆるされないと全員が思った瞬間でした。今後の作成経緯については十分注意するようになりましたが、その間でも特に重い雰囲気になることもなく、妙な連帯感が生まれていたことを今でも覚えています。
近年、アートやお笑いなどで「不謹慎だ!」と炎上する場面をよく目にしますが、本当に面白い、あるいはクオリティの高いものに仕上がっていれば、炎上する前に受けてのエネルギーが笑いや興味に発散されるのかもなあ、と思います。もちろん、面白ければ良いというものではないのですけどね。