たしかに「”取り急ぎお礼まで”は失礼だ」と言われると、何故か失礼な気もしてくる。「忙しいけど、とりあえずお礼だけさせていだきます」といったニュアンスも含んでいるのではないか、という感じもする。しかし、現状多くの人が当たり前のように使っている言葉でもあるし、明確に失礼としてしまっていいのかは不明だ。
議論の盛り上がりを受け、国語辞典編纂者の飯間浩明さんも4月27日、次のようにツイートした。
「私も、失礼というのは可哀相だな、と思います。『略儀ながらメールにてお礼申し上げます』がよりよいとする意見の理由は、『~ます』と言い切る形だからでしょうか。でも、丁寧な礼状でも『取り急ぎお礼まで』は常用されます」
飯間さんは続けて「取り急ぎお礼まで」は昔から手紙で使われている決まり文句だとし、大河ドラマの主人公にもなった有名実業家・渋沢栄一宛ての手紙でも用いられていると説明したうえで、「現在に話を戻すと、普通の社交上のメールでは『取り急ぎお礼まで』で十分でしょう」と意見を述べた。