そのフレンチレストランの求人票には「平日のみ営業で土日休み。主婦も働きやすい」「休憩1.5時間」「アットホームでなんでも言い合える」と書かれていた。面接でも「終電を考慮する」と聞いたため、女性は安心して入社を決めた。しかし、実際に働いてみると、
「休憩は30分あればいいほう。みんな賄いを食べるのが、ものすごく早い。ほかの従業員に合わせてほぼ飲み込んで食べていたため、消化不良で毎日お腹を壊していました。食事中は会話もなく、みんなが店長の機嫌をうかがい、極力会話をしないようにしている雰囲気がありました。土日は急に貸し切りが入ると聞き、私用も入れられないと感じました。ちなみに休日手当は出ません」
と話が違っていた。休憩時間が少ないうえに、アットホームとは程遠い職場だ。閉店後、朝まで帰してもらえないときもあり、「店長の自慢話をみんなお葬式のように聞いているだけ。お酒を強要されることもありました。早朝に帰って寝るので土曜日は潰れていました」と女性は振り返る。
体調不良で嘔吐していたら「点滴してまた明日も来てね!」と言われる
そして、女性が退職を決意する決定的な出来事が起きた。ある日、女性は朝から微熱があったが、無理して出勤。案の定熱が上がってしまい、ほかの従業員に相談したところ「営業後に夜間の病院に行って点滴してもらえば大丈夫!」と帰宅させてもらえなかったのだ。
「夕方には手足が震え節々が痛く、視界は蜃気楼を見ているようにぼやけてきました。23時過ぎ、私がトイレで吐き続けているのを見てさすがに帰らせてもらいましたが、『病院探して点滴してまた明日も来てね!』と言われてしまいました。結局、もうまっすぐ立つこともできなかったので駅で救急車を呼びました」
無理がたたって救急搬送された女性。39.5度の熱があり、インフルエンザの診断を受けた。1週間の出勤停止の後、復帰して働いたが環境が変わらなかったため、思い切って退職の意向を伝えた。
「しかし店長は『親御さんが悲しむよ?』と言って取り合ってくれなかったため、次の日からお店に行くのを辞めました」
最悪の職場を辞めることに成功し、女性は「早食いしなくていいので、お腹を壊さなくなりました。土日に貸し切りが入らないか、ひやひやしなくてもいい。終電に駆け込むこともなくなりました」と安堵している。
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