ネット上には、定期的にパンチ力の強いワードが生まれる。最近ではチー牛。もう眼鏡かけたオタクは今やどこにいても「チー牛」って呼ばれるようになっちゃっている。
それから子供部屋おじさんも凄い威力を誇るワードだ。親離れ出来ずに40になっても50になっても、自分が子供の頃から暮らしている部屋にそのまま居着いている男性を指すスラング。
確かに、大人なのに実家に金も入れず、部屋にこもってネットゲームばかりしていると問題ではあるが、どうも世間の様子を見ていると、中高年になっても実家暮らしをしているだけで子供部屋おじさん扱いされてる人がいるような。「この風潮はどうなんだろうなぁ」とも思うのである。(文:松本ミゾレ)
実家に生活費5万円、好きなものも自由に買える悠々快適ライフ
先日、5ちゃんねるでこんなスレッドを見かけた。「【朗報】ワイ貯金1000万の実家住み27歳、こどおじ煽りにノーダメ」ってのがそのタイトルだ。
スレ主は現在27歳で、貯金も1000万あるという。まだおじさんというか、子供部屋お兄さんだ。さらに大して悩むことなく、高額なパソコンやクロスバイクなどを購入していることを自慢。その上で「むしろ狭いボロアパートで生活切り詰めてヒーヒー言いながら生活してる一人暮らしの貧乏人見下してる」とすら言い放っている。
これは無駄に煽り過ぎなような気もするが、別に家に寄生してるわけでもないようで、実家には月に5万円を生活費として納めているとも書き込んでいる。5万円が高いかどうかは人それぞれの判断で違うだろうけど、個人的には妥当と感じられる。それに加えて家事もしているなら、という条件はつくけども。
ただ、本当に不安も劣等感もないならそもそも「こどおじ煽りにノーダメ」とかわざわざ書かないような気もする(笑)。実際スレッドには「こういうスレ立ててる時点で負い目感じちゃってるよね」みたいなツッコミも書き込まれているので、みんな思うところはある程度似通っているのかも。
実家で手堅く貯金生活は賢い方法だと思いませんか?
さて、少し前まではマスコミも実家暮らしの未婚男性のことは「パラサイトシングル」だの何だの呼んでいたんだけども、最近はそんなワードも死語になったというか、すっかり子供部屋おじさんに取って代わられた感がある。
どのみちどちらも良い印象を抱くワードじゃないんだけど、実家暮らしで貯金しつつ生活って、そんなに悪いことかなぁ。親の持ち家があるならそこに暮らしながら働くほうが、変に背伸びして上京して、わびしい独身生活を送るより財布も心も疲弊しない。
無理して一人暮らして追い込まれても仕方ない。身の丈に合わない家賃のアパートに無理して住んだり、全然食っていけないような仕事なのに、諦めたふりして、転職すら考えることを放棄してただただ続けているような。そういうのって、よろしくないと思うんだよね。
もちろん、もう帰る家がないとか、身寄りもなくて両親が他界している場合は別よ。だけどもし両親も、その持ち家も健在で、地元に十分働く余地もあって、実家にお金も入れて手伝いも毎日やってるなら問題ないのではないか。
いずれは親の介護の必要性が出てくる可能性もあるわけで。そうなったときに慌てて地元に戻る必要がそもそもないのも大きい気がする。実家暮らしのおっさんたちをすぐに「やーいこどおじ」ってバカにする人は多いけど、そこまで笑いものにするのも違うんじゃなかろうか。
僕も可能なら実家暮らしで堅実に貯蓄しながら暮らしたいもん。まあ、俺の実家なんて取り壊されて跡形もないけど。