技能工・設備関係の仕事をする40代男性からブラック企業の経験談が寄せられた。もう20年前の話だが、当時は今と比べて「嘘がまかり通る時代でかなりブラックだった」と振り返る。(文:林加奈)
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「週休2日」のはずなのに
男性は当時まだ20代前半、入社後1週間程度で市の美術館に現場実習に出た。その後配属された営業所でブラックな現実を目の当たりにした。
「営業所勤務の定時は朝7時から16時なのですが、管制業務だったので16時に帰れることはまずありません。閑散期さえ2時間半から3時間残業は当たり前で、これが繁忙期になると毎日4~5時間残業は当たり前だそうです。残業代は出ません」
毎日4~5時間のサービス残業はひどい。
男性は就職セミナーの時に週休2日制と冊子に書かれていたため週に2日休んだところ、常務から電話があったという。
「『月に22日以上働かないといけないと、労働基準法で決まっている』と言われ、当時20歳だった私はすっかり『そうなんだ』と思い込んでしまいました。それが嘘だと知ったのは転職した後でした」
社長は運転手付きセルシオで出勤
男性が営業所に配属された2週間後、所長の交代があった。不幸にも新しく来た所長が「本社で新人教育をしている時によく怒鳴っていた人」だったという。
「ちょっとしたミスや気に入らないことがあるとすぐに怒鳴り始め、自分が八つ当たりの標的になってしまい、ストレスと我慢の限界でちょうど4か月で退職しました」と振り返った。
男性によると、残業代や休日出勤の割増賃金、あるはずだったボーナスも支払ってもらえなかったという。それにもかかわらず、社長は運転手付きのセルシオで出勤し、会社の経費を使ってプライベートで旅行に行っていたとも明かしている。
男性は「さっさと見切りをつけてよかったです」と語っていた。