岩手県の20代女性は、介護士として働いていたときの経験を次のように語る。
「労働環境がひどく、入浴支援や夜勤時の体制は1人で行っていました。また、夜勤の休憩時間もなく、16時間ぶっ続けで勤務していました」
女性はこの介護施設を3年半で退職している。退職ときっかけとなった出来事についてこう綴っている。
「夜勤明けの勤務時、認知症とうつ病がある93歳の女性から暴言、暴力行為がありました。私に花びんや裁ちバサミを投げつけ『殺してやる』と泣きわめいていました」
「私は恐怖のあまり逃げましたが、上司からは『認知症だから仕方ないね。どうしてすぐに応援呼ばなかったの?』と言われました。私は、怖くて応援をすぐに呼べずに避難してから呼んだのですが、上司はそれに納得しなかったようです」
女性はその一件があって以来、仕事に行けなくなってしまい、すぐに退職の手続きを済ませたという。その際、上司から「あなたはいらないから、明日から来なくていい」と切り捨てるように言われたそうだ。
入所者の行動自体は「認知症だから仕方ない」としても、実際に危険な目に遭った職員へのフォローは必要だろう。いざというときに守ってくれない職場だと、職員の定着は難しそうだ。