男性は働くうち、「言われた言葉」の意味がわかってきたという。
「その施設で行われている医療処置は、何年も前から通常ならしなくなったことや患者さんや入所者さんに不必要な検査や治療などをバンバンするところでした。『安全域をとって広く対応している』という上司の言葉は嘘で、儲けのためだとわかるのには時間がかかりませんでした」
生活のため、しぶしぶ勤務を続けていた男性だが、1年たった頃、ついにこんな事件が起きた。
「『あなた!うちのやり方でやってないね!』の言葉から『あなたは不適格な人だから!』など人前で罵倒された挙句、次の日からいきなり当番の表に自分の名前はなく、職場に来る意味を失いました」
人前で罵倒され、仕事も取り上げられた男性は辞表を提出。最終的に3ヶ月後に退職したのだが、結局その間、仕事は与えられず「朝出勤して一応着替え、休憩室で夕方まで過ごし、17時きっかりにまた着替えて帰る」勤務を延々繰り返すことになったという。
男性は当時の暮らしについて、「基本給でどうにか生活はできましたが、もともと時間外手当などが加算されてから通常並みの給料となるような仕組みでしたから、半額以下に減りました」と振り返る。
男性は「このような病院が他にも地方にはたくさんあるのではないかと思いますが、どうか、患者さんや入所者さんのための医療を提供してあげてください」と綴っていた。