その会社は新入社員の事故率が高い時期でもあったのか、新人が車を運転することに対するハードルが無茶苦茶に高かった。
「以前の職場ですが、営業職で働いている時に『新人は車ではなく、会社からの許可が出るまで自転車で(営業に)行く』というルールがありました。一日何件か回らなければいけなかったのですが、エリアがとても広く、一日数十キロ走っていました」
なんと広大なエリアを自転車で営業回りさせられていたという男性。「特に夏場はしんどく、5キロほど痩せてしまった」と苦行を振り返る。この言葉からもどれだけ過酷だったのかが伝わってくる。
ちなみに会社からの許可が下りるためには「月に一回の新人の運転力テストの合格」が必要だったが、「かなり厳しい試験でほとんどの新人は合格できなかった」という。具体的には
「制限速度を少しでも越えればその瞬間アウト。後ろから煽られたり、クラクションを鳴らされたらアウト」
などの厳しい基準があった。さらに、いざ車に乗る許可が出ても……
「『事故を起こしたり駐禁を切られたら、翌日朝4時半に会社に出社し、全員の前で謝罪させられる、その上ボーナス全額カット』というブラック極まりないルールもあり、苦労して試験に合格しても車に乗りたがらない人もいました」
滅茶苦茶すぎるルールの数々だが、会社にいる以上守るしかないのだろう。男性が辞めた今もこのルールは続いているのだろうか。