女性が働いていた「住宅型有料老人ホーム」は、自宅のすぐ近くだった。「ただただ(自宅の)近く」というから、通勤しやすい場所という理由だけで選んでしまったのだろう。それは、こんな職場だった。
「施設では、なぜか1年働いているヘルパーがすべてリーダーと肩書きをもらい、指導を少し教える感じで施設長は夜勤ばかりで不在」
シフトも「訪問数を理解していないような人数設定ばかりで毎日苦痛」だったという。仕事量の多さに比べて人員配置がまったく足りていない状態だったのだろう。また
「リーダーが日によっておらず、何のためのリーダー…?とにかくリーダーが多く、技術と知識はないに等しい方ばかり。下手に口を出せば否定され、そのたびに心が痛むことばかりでした」
と女性は振り返る。当然のように「新たに入った方もすぐに辞める」職場だったという。よって、いつまでも人手不足は解消しない。女性は
「はじめは我慢していましたが、職場で嗚咽しはじめ、その日で辞めた」
と、ついに体調に異変をきたし退職するに至った。
現在、女性は以前と同様「福祉・介護」関係の職場で働いているが、今まで出勤前にあった頭痛や吐き気、日中の嗚咽もなくなったという。新しい職場では「質問や職場見学をしっかりして理解したところに行かせてもらうことになりました」と、転職には成功した様子だ。