最終の特急電車に乗っていたため、帰ろうにも上り電車はもちろんない。とりあえず、ホームから出て駅の改札の外へ出た男性。「改札では駅員が状況を察して、哀れに思ったのか、乗り越し料金も取らずに出してくれた」という。
熊谷駅と上田駅は、100km以上離れている。車だと高速を使っても2時間近くはかかるので、仮にタクシーを使うとなると、かかる金額は計り知れない。
男性はなすすべもなく、構内のベンチで横になって始発を待つことにしたという。しかし、上田駅は標高約450mに位置し、平地とは気温差がある駅。そのためか、男性は「寒くて寝れなかった」そうだ。
始発の時間が近づくと、人の気配がし始めたが、ほとんどは登山服姿の人たちだったとのこと。「あらためて遠くに来たのを感じた」という。
やっと始発の電車に乗り、上田駅から高崎駅まで向かう。途中の軽井沢駅などを見て、再度「遠くに来た事を感じる」男性。当時は北陸新幹線もなかったので、鈍行列車による長旅であった。高崎駅からは新幹線に乗って、東京駅にたどり着き、なんとか遅刻せずに出勤できたそうだ。
この一件から約30年経っても男性は忘れられないようで、こう締め括った。
「人生最悪の寝過ごし事件だった」
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【寝過ごしシリーズ】