もちろん上司に訴えたが何もしてもらず、自分で設備の部屋へ行って防犯カメラの映像を確認させてもらった。
「入口に防犯カメラがあるので確認しましたが外部の人は映ってませんでした。内部の犯行と決まったのに上司は知らんぷりです」
その後、女性は休憩室に「警察に通報します」という張り紙を貼り、様子を見ることに。すると2週間後、隣の倉庫の一番下の棚に靴が置かれていたという。女性が置き忘れるはずもない場所だ。靴自体は無事に戻ったものの、犯人はわからずじまいで納得はいかなかった。
「上司も信じられないのでまた自分たちで防犯カメラを確認しましたが、犯人を特定出来ませんでした。泣き寝入りです。そんな事があっても何もしない上司にウンザリです」
上司は40代の男性で、「口だけで何もしない」と女性は不満をこぼす。後から同僚に聞いたところによると「上司は、どうせ作業で履く安い靴だから良かったぐらいに言っていたそうです」というから腹が立つのも頷ける。値段の問題ではなく私物が盗まれたのだから大問題だろう。
疑わしい男性同僚の存在
結局犯人は捕まらなかったが、同僚に疑わしい人はいたのだろうか。
「いました。みんな影で噂していました。30歳そこそこのアルバイトの男性です。それも休みがちでまともに来ていませんでしたが。嫌がらせっていうより、新しいから欲しくて盗ったって感じがしました」
もちろんこの同僚男性が犯人という証拠はなく、むやみに疑うのはよろしくない。だが、この男性は職場では信頼度が低く持て余し気味にされていたようだ。仕事も雑で、平気で遅刻し欠勤も多かったという。
この窃盗事件から半年後、女性が同僚男性の勤務態度を注意すると、彼はあっさりと辞めて行ったそうだ。上司は職場に波風を立てたくなかったのか、様々な問題点を見て見ぬふりをすることが多く、不信感が拭えない女性はこんな疑いを抱いている。
「靴を倉庫に置いたのは、たぶん上司だと思います。犯人から回収して置いたのかなと」
信頼できない上司がいたり窃盗に遭ったりと散々だった女性は、その職場を10か月前に辞めたということだ。
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【職場の窃盗事件簿】
職場でビニール傘を10本も盗まれた男性 犯人特定し警察に通報するも……