やはり耐えられなかったようだ。入社して2日目の昼休みに、「紹介元のハローワークの担当者に電話し、全て話して辞める」ことを伝えた女性。
「翌朝は出社せず、電話で面接官だった男性に辞めると伝えた。社長が怒鳴りまくっていることに耐えられないということと、事務での採用だったが外回りの営業をゆくゆくはしてもらうと言われたことも辞めたい理由として挙げた」
男性社員の返答は「営業は嫌ならしなくていい」というものだったが、女性は「信じられないので断った」という。すると、
「年金手帳を既に大阪の本社に送ってしまい、厚生年金の手続きをしたと言われた。だったら自宅に送り返してほしいと言って、私も引かなかったら、渋々と諦めてくれた」
と、すんなりと辞められたわけではなかったようだ。退職者が出ることだけは防ぎたかったのだろうか。
「3日分の給料は1か月分の社会保険料で消え、ほとんど入金されなかったが、辞められたので文句はない」
「大阪本社の総務担当者から電話がかかってきて事務的な話をしたが、まともな人で、すんなりと年金手帳を送り返してくれた。辞める理由を東京の社員から聞いていたようで、『嫌な思いをさせて申し訳なかった』と謝られたのが印象的だった。その言葉から、社長が理由で辞めていく人が後を絶たないのだろうと感じた」
社長が態度を変えない限り、退職者がいなくなることはないのだろう。
職務経歴書に書かず、転職先にも隠し続けた
退職については「間違ってなかった」と話す女性。
「あのまま男性社員たちが怒鳴られているのを見ていたら、精神衛生上よくなかっただろう。長く続かなかったと思うので、1日でも早く辞めてよかった。たった3日で辞めたこともあり、なかったことにしようと思った。実際、最近まで忘れてたくらい」
「でも辞めた直後は、厚生年金のほうに痕跡が残ってしまったことがとても嫌だった。直後の転職活動では、その会社のことを職務経歴書に書かなかった。ただ、入社後はバレたらどうしよう……としばらく憂鬱に。結局、転職先には何も言われなかったが」
そんな女性は転職の際の教訓についてこう語る。
「会社に急かされたとしても、入社後すぐに年金手帳などを渡すのはよそうと思うようになった。何度か転職してきて、やっぱり入社しないとわからないことが多いと実感しているので、何であれ自分のものを提出するのは会社をある程度見極めてからがいいと思う」
幸運の女神には前髪しかないという言葉があるように、チャンスがやってきたら素早く動くことが大事だが、このような会社に引っかからないよう、職を見つけるときは慎重に行動することも大切だ。
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【即行退職シリーズ】