学生時代に思い描いていた社会人生活と現実とのギャップに苦しんだ経験がある人も多いのではないだろうか。キャリコネニュースには、社会人になって現実を思い知り、絶望した読者から経験談が寄せられている。(文:林加奈)
「会社は店頭公開を目指して連日連夜、終電まで残業。土日も出勤。いつ倒れてもおかしくないほど激務でした。限界を迎えようとしたある日の夜11時半、上司に『お先に失礼します』と言ったら『おや、〇〇さん、今日は早退ですか?』。私はまた席について終電まで仕事を続けました」
60代前半の女性(東京都/コンサル・士業・金融・不動産/年収2000万円以上)は、とある会社で経理部の社員として働いていた25年前のことをこう振り返っている。
「部下が残業しないで効率よく仕事ができるように考えるべき」と上司に伝えたら……
夜11時半の退勤で「早退」扱いとは……。まだ「パワハラ」とか「過労死」という言葉がなかった時代とはいえ、女性はかねてより仕事の仕方や組織の在り方に疑問を持っていたので、一晩考えた末に、翌日上司にこう伝えた。
「上司であるなら、部下がいかに残業しないで効率よく仕事ができるようになるかを考えるべき」
すると上司からの返答は、
「誰か一人でも残業しているなら、その人の仕事を手伝って、全員で仕事の時間を短くした方がいい」
だった。
「なるほど、体育会系的な考えでしたので、私の仕事への考え方と合わないと思い、3か月後にその会社を辞めました」
と、女性は締めくくった。結果として、会社にとっては貴重な人材の流出につながってしまった。上司の言うこともわからなくはないが、毎日終電、土日勤務が常態化しているならもっと人を増やすなどして現場の負担を減らすべきだったろう。
キャリコネニュースでは「社会人になって絶望したこと」をテーマにアンケートを行っています。回答はこちらから。https://questant.jp/q/17IWLU9V
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