業務の効率化が目的のはずのデジタルトランスフォーメーション、DXが、かえって悪い結果となってしまったというエピソードが寄せられた。
40代男性(企画・マーケティング・経営・管理職/従業員数1001人以上)が勤務する会社では、ある時早期退職者の募集を始めた。「MR(製薬営業)をDXにシフトすると掲げて、優秀な人材を別部署へ異動させた」という。結果はどうなったのだろう。(文:林加奈)
蓋を開けてみれば、営業は……
「営業が半分以下になり、めでたしめでたしで良ければいいのだが、蓋を開けてみれば、営業は他社や他部署へ行けなかった人材の残りの人々。パフォーマンス、売り上げは大幅に下がり、コントラクト(コントラクトMR、派遣MRの意味)の補充、正社員募集と、このDXは何だったんだ?となっている」
DXを目指したにもかかわらず、現場の負担が増え、効率化とは程遠い結果となってしまった。コントラクトMRや正社員を採用するにもコストがかかるし、新人の教育も必要になる。これでは早期退職者も納得がいかないだろう。そして男性は、
「ボーナスもこのままではなさそう。悪循環の開始となった」
と、ボーナスにも影響が出ると予想。本当の意味でのDXを実現できる日が来るといいのだが……。
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