セクシャルハラスメントという言葉すら存在しなかった時代、今では信じられないようなセクハラ発言が飛び交い、泣き寝入りする人も多かっただろう。茨城県に住む50代後半の女性(事務・管理/年収200万円)は独身時代に働いていた会社で、上司から「今ならありえないような」酷いセクハラ発言を受けたことを語ってくれた。(文:真鍋リイサ)
「一瞬何を言われたのかわかりませんでした」
当時、「3人しかいない営業所での忘年会の席」で、上司から
「今まで何人とヤったの?」
「隠すような年でもないじゃん」
などと耳を疑う下品な質問をされたという。
「一瞬何を言われたのかわかりませんでしたが、宴席を壊すのもどうかと思いスルーしました」
何とか大人な対応でその場を凌いだ女性だったが、「いくらお酒の席での話とは言え非常識」と今思い出しても憤りが収まらない様子だ。
「25年以上も前の話なので今ほどハラスメントに関して厳しくもなかったし、上司となるとなかなか人事などにも言いづらくそのままになりました。今ならコンプライアンスなど訴える場所もありますが当時はそのような知識もなく……」
確かに当時は、ハラスメント対応どころか、これが被害として認められることも難しかっただろう。だからといって、女性の心が傷ついたとに変わりはない。
送別会で「花束よりコンドームのほうが似合うけど」と挨拶
その後「月日が流れ」、女性は「別の営業所の先輩」とともにリストラされてしまった。それだけでも悲しい出来事だが、あろうことかその送別会の冒頭で、またしても衝撃的な発言が出たという。
「本社の部長クラスがあいさつの席で『この3人には花束よりコンドームのほうが似合うけど……』と発言」
最後に笑いを取ろうとでも思ったのだろうか。相手がどう思うのか考えてから発言してもらいたい。
「『何言ってんじゃからこのボケ!ハゲ!チビ!』と心の中で思いましたが先輩たちと苦笑い……」
退職するその時なら、人事に訴えようと思えばできたと振り返る女性だが、「一緒に辞めさせられる先輩の1人が、同じ場にいる男性社員と社内恋愛中で退職後に結婚を控えていた」という事情があり、この時も断念せざるを得なかった。
「一緒に言われたのに私一人が訴えても……」
と悔しい思いを吐露している。数々のセクハラ発言を振り返ってこう綴った。
「今思えば昔はセクハラなんて日常茶飯事だったんだな~と。そういう面では今はいい時代になったと思います」
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