社会人の大学院入試 早稲田受験当日に迷子になった男性 | キャリコネニュース
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社会人の大学院入試 早稲田受験当日に迷子になった男性

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大人になってから勉強の重要性に気が付き、学び直しを始める人もいる。山口県の30代後半男性(エンジニア/機械・電気・電子・半導体・制御/年収500万円)は、就職先の同期のほとんどが院卒だったことに衝撃を受け、定時後は自主的に勉強するようになったという。男性は自身の学生時代について、こう振り返る。

「理系にもかかわらず、大学に行かずアルバイトばかりしていました。所属先の研究室の教授にも呆れられて、卒業研究発表後の研究室内の集まりで、同期の学生に公開で説教をされるくらいダメな学生でした」

男性は「いまだに貴重な学生時代に勉強していなかったことを恥じています」と後悔を綴るとともに、学び直しの苦労を語り始めた。(文:福岡ちはや)

「『どんなときでも24時まで』と時間を決めて、約2年半勉強」

日中は仕事がある社会人にとって、勉強時間の確保は重要かつ難しい課題である。男性は「コーラでお腹を膨らまし、栄養が偏らないようネイチャーメイドで過ごしたり」して、食事の時間を短縮していたそうだ。また、「テレビは見ない」とも決めていたという。

「余暇なども切り詰めて勉強時間に充てました。1日何時間という勉強時間は決めず、『どんなときでも24時まで』と、残業しても次の日に支障がないよう時間を決めて、約2年半勉強」

仕事と勉強漬けの生活は、さぞ大変だっただろう。しかし「自分の知識のなさ、(学生時代に)無駄に過ごしていた時間」を恥ずかしく思う気持ちが、男性を突き動かした。いつしか男性は「大学院を目指そう」と考えるようになり、そのために必要な知識と貯金を蓄えていったそうだ。

「最寄駅の近くだから」と下見をしなかったのが災いし……

大学院の試験は、早稲田大学のキャンパス内で行われた。試験当日、「最寄駅の近くだから」と下見をしなかったのが災いして、男性はすぐに試験会場にたどり着けず迷子になってしまったという。

「近所の商店のおばあさん、守衛の人に場所を聞いて、なんとか辿り着きました。まさか1つの駅の付近に、3つもキャンパスがあるとは思いませんでした。試験会場に着いたときは周りも現役の学生さんたちで席が埋まってましたが、『これ以上ウォーミングアップしたら死んでしまう』と緊張がほぐれていたので、試験は力を抜いて受けることができました」

せっかく苦労して勉強してきたのに、試験会場がわからず失格になっては目も当てられない。開始時刻に間に合ったことは何よりだ。

ちなみに、試験の結果は見事合格だったそうだ。男性は「今でも昨日のことに思えて、良い思い出になっています」としみじみ語った。何歳からでも学び直しはできると勇気をもらえるエピソードだ。

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