その油絵は前職の人が厚意で職場に置いていったものだった。しかしその職員は、退職する機会に乗じて油絵を持ち帰る算段を立てていたようだ。そこで女性は、油絵の額を外して持っていこうとする姿に向かって
「(前職名)寄贈ってプレート作りました」
と声をかけた。「〇〇寄贈」とプレートを付ける予定のものを、勝手に持ち去ることはできないだろう。女性の機転が功を奏し、油絵は守られたという。安堵した様子でこう報告した。
「未遂で終わってよかったです」
職場にあるものを勝手に私物化する人は少なくないようだ。東京都に住む50代前半の女性(医療/正社員・職員/年収250万円)は「仕事用の大切なノートを隠されていた」と明かす。
犯人と思しき人は、明らかに挙動不審だったという。
「諦めて新しいノートを使っていたら、盗った本人が慌てていて、新しいノートを買うねと、わざわざ確認してきて注文していた」
もしかすると勝手に使って紛失してしまったのかもしれない。それから1か月後、以前探した時はなかった場所にノートが置かれていた。無断で持ち去った人がこっそり返したのだろうか。なぜか職場の人々はノートが置かれている事について何も言わなかったそうで、それに苛立った女性は
「本人の目の前でそのノートを叩きつけてから、仕事しました」
と、当時の怒りを振り返っている。
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