数限りない商品を扱うホームセンターで「4、5年前の目覚まし時計」だけで特定できるはずもない。男性が「申し訳ございませんが」と言いかけると、相手は「身体が不自由なのになんでこんな手間がかかるんだ」と文句を言い出した。以降、こんな押し問答となった。
「当店は小型店なので取り扱いが少ないので、専門店や大型店なら分かるかもしれませんが」
「なら、調べて連絡しろ」
「では、メーカーと型番を教えていただけますか」
「だからぁー、こっちは身体がぁー、不自由だって言ってるだろ。何遍言えば分かるのぉー」
「ですから、メーカーと型番が分からなければお調べできません」
身体が不自由なのは気の毒だが、店員としてはどうすることもできず困惑しただろう。結局は電話の主が「分かったら連絡する」ということになった。その数日後……
「私がお休みの日に電話があり、すぐに返事をしてくれとの事」
電話対応した後輩 から「助けてLINE」が来たという。後輩は「担当者不在の返事」とともに「明日連絡します」と返したが納得してもらえず、再び「こっちは身体が不自由なんだよ」と押し切られたそうだ。
「仕方がないので出勤し、各方面に連絡、確認した結果、メーカー廃盤、系列店でも在庫完売の為、取り扱い出来ないアイテムである事が判明。その旨をお伝えしましたが納得していただけません」
休日出勤までして対応したが、事態は収まらない。電話の主は「どうにかならんか?」と食い下がり、男性は「同機種は入手出来ないと思います」と再度告げた。すると相手は
「あんたの店で買ったんだから、どうにかしろ!!」
と無理難題を要求してきたから困りものだ。【後編へ続く】
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