その面接は18時15分から開始だったため、17時に勤め先を出た男性。到着はギリギリになると思っていたが、電車の乗り継ぎがスムーズに行った。
その会社は雑居ビルに入っていた。面接が行われていた部屋は、「病院の病室みたいな仕切り」をしているだけだった。そのため、男性の前の応募者の面接が丸聞こえだった。しかも「かなり面接が盛り上がった感じ」で一向に終わらず、結局18時40分くらいまで待つ羽目になったそう。ようやく男性の面接が始まったものの……
「私の予定時間を過ぎているのにもかかわらず『お待たせしました』の一言もなく粛々と面接をして、色々質問事項を聞かれました。私は何の一言も無いことに疑問を感じながら面接を受けていました」
開始時間が25分も遅れたのだから、面接官は何らかの言葉をかけたほうが良かっただろう。男性の抱いた違和感は、これだけではなかった。そのときのやりとりを次のように明かした。
面接官である支店長に「運転はされますか?」と聞かれ、男性は「ハイ。今の仕事でも毎日運転する仕事ですから」と答えたところまではよかった。だが、このあとの質問に男性は首を傾げた。
「『ご自宅の方ではマイカーはお持ちで?』と言ってきました。私は正直えらいプライベートなことを聞くなぁ……と思いつつ所有していることを告げると『普段は休日しか乗らない感じですか?』と再度突っ込んで聞いてきました」
面接官が業務に関係のない休日について聞くことは稀だ。この質問の裏には、ある思惑が隠されていたのだ……。【後編】へ続く。
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【後編はこちら】「履歴書返してください。もう条件が合わないから辞退」面接の途中で帰った男性