教育体制が整っていない飲食店で働くのは、かなりのストレスのようだ。千葉県の50代後半の女性は、在籍期間は2か月だが、7日間しか勤務しなかった飲食店チェーンのパートを振り返る。
「店長から教わったことは1つもなく、バイトから教わるにしてもみんなやり方が違うし、最初から最後までちゃんと指導してくれる人がいないのに注意される」
しかも、その飲食店は驚くほど清掃が行き届いていなかった。他店舗で食中毒を出したため、「ウチは手洗いとか厳しくやってるんだよ」とエリアマネージャーが初日に言っていたが、女性は「これじゃあ食中毒出るわ……」と恐怖を感じるほど酷かったという。(文:福岡ちはや)
「入店時のルーティン? 手洗いの仕方しか教わってませんが?」
勤務初日、エリアマネージャーから会社説明と出勤時の手洗い方法を、アルバイトの先輩から料理の下げ・テーブルセット・締め作業を教えてもらった女性。しかし、エリアマネージャーは「詳しいことは店長に聞いて」と言うだけで、女性は次回のシフトすらわからなかったそうだ。女性はアルバイトを紹介してくれた人に相談し、どうにか次の勤務日を把握したが、その後も不信感は募る一方だった。
「2回目の出勤時、前回とは違うアルバイトの先輩が教えてくれたけど、いかにも面倒くさそうに指導され、前回とはやり方も違う。『前回聞いたのとは違うんですが……』と伝えると、『僕はこう聞いてるんで』と言われ……」
「マニュアルもないのか?」と戸惑う女性をよそに、店長は先輩アルバイトに「(女性は)もう1人で締め作業できますよね?」と確認していたそうだ。違うやり方で2回教えられただけの作業を1人でできるわけがない。その後の勤務でも、女性は散々な扱いを受け続けた。
「3日目。店長から『ラスト勤務だから締め作業のほかも覚えてもらわないと』と言われながらも、忙しいのか誰も教えてくれず。4日目、暇だったので『レジとかオーダー教えてもらえますか?』と聞いても教えてもらえず、同じ時間のアルバイトの人たちはエリアマネージャーと店長とおしゃべりに花を咲かせてるだけ。5日目、店が忙しく下げ作業とテーブルセットで閉店時間を迎え、締め作業に入ろうとすると『締め作業は新しく入ったアルバイトの子に教えながらやるから』と断られ、片付けだけして終了。6日目、私のあとに入ったラスト勤務の学生アルバイトの子がオーダーとレジを教わってやっていて『アレ?』って。7日目、エリアマネージャーから『○○さん、入店時のルーティンが違う!』と注意をされ、何が違うのか教えてもくれなかった」
女性は7日目のできごとが決め手となって「入店時のルーティン? 手洗いの仕方しか教わってませんが?」「ここで働いても意味ないな」と見切りをつけたそうで、
「私が年配だから若いアルバイトの子たちが嫌がるのもわかりますが、いくらなんでも……と思い、見習い期間の間に退職させていただきました。(中略)あまりにもひどい対応でしたね。アルバイトの子たちのレベルも低い。お客様に対する意識も低いのかな? 表面だけ取り繕ってるとしか感じませんでした。辞めて正解でした。そしてその飲食店チェーンですが、あの清掃をみたら怖くて、他店を含めて行ってません。くれぐれも食中毒にはお気をつけください」
と注意を促していた。
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