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来年度卒の就職活動はエントリーや説明会などが盛んに行われている頃だろう。現在は人手不足を背景に新卒に有利な売り手市場だと言われているが、就職氷河期世代の就活は悲惨なものだったらしい。
地方自治体の職員として働く53歳の女性(福岡県/年収450万円)は
「就職氷河期に就活した1993~1994年。 合同説明会の会場にて、 ある企業の採用担当者が言った『女は採らんけど、説明聞いてく?』が、今も記憶に残っています」
と振り返る。令和の今となっては耳を疑うひと言だが、当時はこんな男女差別も当たり前だったようだ。(文:林加奈)
「本当にあなた勉強したの?教員としてダメだね」
女性はその当時の衝撃をこう語る。
「当時、新設女子大学の一期生で 頼れるOGもいなくて、必死な就活だったのに打ちのめされました。あの時は夢もあったので 5社受けましたが、全滅でした」
しかも、「今まで、正社員として働いたキャリアはありません」と寂しげに明かした。
教員の52歳男性(東京都/年収1100万円)は「1996年学部卒、1998年修士課程修了で、教員としての就職を目指しておりました」という。
「今ではブラック職場と言われる学校も、その当時は採用されるまでが厳しく、10校くらいから不採用の通知をもらいました。この時代だから、許されたのかもしれませんが、いくつかの学校で圧迫面接を受けました。そのうちの1校では、『本当にあなた勉強したの?教員としてダメだね』と、人格を否定されたこともありました」
男性の年収は1100万円で、教員としての働きぶりは申し分ないように見えるが、面接官は何を根拠にダメ出ししてきたのだろう。しかし、その後は悔しさをバネにして活躍してきた様子だ。最後に、こう結んでいる。
「採用してくれたいまの職場には感謝しております。教員として、採用しなかったことを後悔させてやるという強い気持ちが、今の原動力になっています」
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