「就活ミュージカル!!」の再演がスタート! 「オワハラ」や「就活長期化」に苦しむ学生の今を描く
就職活動にまつわる問題をテーマに、学生と若手社会人が共に創り上げるオリジナルミュージカルの「就活ミュージカル!!」が3月18日、東京の銀座博品館劇場で公演を開始した。
「就活ミュージカル!!」は昨年3月に初上演し、約1000人が来場した。今年の公演は2年目となる。今回の会場の銀座博品館劇場の座席数は前回公演よりも多い約380席だが、ほぼ満席。キャストたちは2時間半の公演で観客を魅了した。
「後ろ倒し長いよ」「売り手市場なんてかえって怖い。二極化だよ」
物語は就活に悩む学生を中心に描かれる。「40社を受けても内定が出ない」と悩む学生や、彼氏が第一志望の企業から内定を貰ったのに、自分にはいつまでも無内定のため、苛立ってしまう彼女。面接で、「それじゃ社会じゃ通用しないよ」と言われ続け、うつ状態になる学生も出てくる。
就活生のみならず、若手社会人にもスポットライトが当てられる。今の仕事が適職なのかと悩む新人だけでなく、上司から「役立たずって言葉知ってる?」「休憩取れる身分なの?」と言われるなど、パワハラに苦しむ人が登場する。
また、2016年卒業予定学生の就活では面接解禁を8月になり、就活生側も企業側も混乱する、という事態が生じたが、そういった問題が今回新たに取り入れられた。
2幕開始と同時に歌われるのが「採用狂想曲~オワハラの怪」。中小企業の人事部が売り手市場の中、学生からの内定辞退をどうやれば阻止できるか試行錯誤する様子が描かれている。また、中々内定が出ないために就活が長期化してしまった学生が「後ろ倒し長いよ」と悩む場面や、「売り手市場なんてかえって怖い。二極化だよ」と訴える場面もあった。
出演者「周りを見れば支えてくれる人がいることを伝えたい」
「就活ミュージカル!!」は全員がハッピーエンドでは終わらない。みんながそれぞれ悩みや迷いを抱いている。そういった気持ちを最後にキャストが、「答えなんて一つじゃないさ」「居場所を選ぶのではなくあなたがそこを作る」と歌い上げた。
キャリコネニュースは、初回公演を終えたキャストにも話を聞いた。主要人物の恋人役を演じた大学4年生の女子学生(22)は今回が初参加。昨年の公演を観て興味を持ち、8月からレッスンに参加してきた。自身の就活経験を活かせるのではという思いもあったという。舞台に立った感想を聞くと「夢みたいな不思議な気持ち」と笑顔を見せた。
「自分も家族に支えてもらったので、悩んだときや苦しいとき、周りを見れば支えてくれる人がいることを伝えたい」
と意気込みを語っていた。「就活ミュージカル!!」プロデューサーの関峻介さん(27)は作品の意図をこう語る。
「就活はどうしても孤独になってしまうが、『自分はダメだ』と思ってしまうのはもったいない。答えは一つじゃないんだと気付いてもらえる作品になったら」
「就活ミュージカル!!」は同劇場で3月20日(日)まで上演される。関さんは「内容はこれから考えますが、来年も公演を行いたい」と3年目への意欲を見せた。
あわせてよみたい:「就活ミュージカル!!」のダンスレッスンに女性記者が潜入!