
画像はイメージ
資格や専門知識があっても、それを無視する上司のもとでは宝の持ち腐れとなる。東京都の40代男性(事務・管理/年収900万円)は、かつて勤務した飲食店を経営する会社での理不尽な経験を明かした。
男性は2006年から1年ほど、その会社に勤務していた。
「私は30歳で税理士資格がありました。それにもかかわらず、経理とは無関係の総務人事課担当に」
さらに60代の「取締役管理部長」が、常にパワハラをする上司だったという。この上司は「コンプライアンスに厳しいと自分では申しているから噴飯ものです」とのことで、自己評価と実態がかけ離れていたようだ。(文:篠原みつき)
「無理矢理労働局に提出することになりました」
ある時、男性は「派遣業の年度報告書に添付する決算書等を上司の指示で作成」した。当然、「株主総会の承認を受けてから提出する」と上司に報告していた。
ところが、上司がどこかに電話した後、事態が急変する。
「『〇〇(私の苗字)!派遣業の年度報告書はどうなっている?早く出せ!』と怒鳴り散らし、株主総会の承認を受けていないのに、無理矢理労働局に提出することになりました」
株主総会の承認を経ていない決算書は正式なものではなく、それを公的機関(労働局)に提出することは、派遣業法や会社法に抵触する可能性のある重大なコンプライアンス違反だ。
男性は「もちろん、株主総会の承認が必要なことその他を上司に説明したのですが、全く聞く耳持たずの上司」だったと、その無法ぶりを振り返る。
上司は解任、会社は5年後に破産
税理士としての専門的な忠告すら聞き入れられない状況に、「こんな上司の元では無理と判断し、退職しました」という男性。その後の結末を、
「なお、上司は私が退職した4か月後に臨時株主総会で解任決議により、解任されていました」
と報告。ある意味で当然の結果だったかもしれない。
さらに会社自体も、「上記の件以外にも数々の法令違反や不祥事、経営悪化を要因として会社が破産いたしました」という。これは男性の退職から5年後のことだった。男性は「もっとも、その会社に我慢していたとしてもろくなことにはならなかったと思われます」と当時を振り返った。
※キャリコネニュースでは「『この会社ダメだな』と思った瞬間」をテーマに投稿を募集中です。回答はこちらから https://questant.jp/q/QHFJS7UY
入社したら「明日から自動車学校へ通うように」と言われて即行で辞めた女性


