しばらくすると、車窓の景色は都会から住宅地、そして田園地帯へと変わっていった。新横浜駅が近づいてきたはずだが、新幹線は一向にスピードを落とす気配がない。
「そのうち、目の前を新横浜駅のホームがすごいスピードで飛び去っていったのです。その時になって、やっと気づきました。乗ったのは最速のひかり号だったことに…」
約30年前の当時、速達タイプの「ひかり」号は新横浜駅を通過するダイヤが組まれていることがあった。その場合、次の停車駅は名古屋である可能性が高く、男性も名古屋まで行ってしまったのかもしれない。
「人のことは言えませんが、町田~小田原なんてカワイイもんですよ」
慌てた男性だが、どうすることもできない。当時はデッキにあった公衆電話に走り、現場の上司に到着が遅れることを伝えた。
「電話口ではこぴどく怒られはしませんでしたが、呆れられていたのを覚えています」
結局、新横浜に到着したのは昼ごろになり、午前中の作業には参加できなかった。関係者に頭を下げて回ったところ、「以前にも同じような人がいたよ、と教えてもらい、そうだろう、と自己弁護したものでした」と、当時を振り返った。
キャリコネニュースでは最近、ロマンスカーで寝過ごして小田原まで行ってしまったエピソードを紹介したが、男性は「人のことは言えませんが、町田~小田原なんてカワイイもんですよ」と書いていた。
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