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職場に友達は必要か、不要か。置かれた環境や個人の価値観によって変わってくるようだ。
千葉県の50代男性は「友だちは必要です」と回答した。男性にとって職場の人間関係は、業務を円滑にするだけでなく、精神的な支えでもあったようだ。
「在職中は一緒に頑張っていく同志として、わからないことをいろいろ相談していく相手として、退職後は再就職活動をめげずにやっていく同志として心強かったです」
これは理想的な関係性であり、こうありたいと願う人も多いだろう。しかし、現実はそう綺麗事ばかりではない。(文:湊真智人)
「そいつらが集まると他人の噂や中傷」
一方、大阪府の50代男性は「職場での友だちは不要」と断言する。その理由は非常にドライなものだ。
「あくまでも同じ時間に同じ空間で一緒に仕事をしているだけという関係性だから」
こうした割り切った考えの背景には、職場環境の問題があった。男性は「職場では一切人付き合いは避けていました」という。なぜなら周囲の同僚たちの質が悪かったからだ。
「そいつらが集まると他人の噂や中傷をし、馬鹿にしたような笑い声(が聞こえ、)『人としてどうなんや』という感じだった」
職場の人間を「そいつら」と呼ぶあたり、相当な嫌悪感を抱いていたことがわかる。悪口や噂話で盛り上がる輪の中に身を置きたくないと思うのは当然の心理だろう。
「自分の時間は命の時間」だ
馴れ合いを拒絶する切実な理由をこう語っている。
「こいつらと付き合うのに使う自分自身の時間や労力は無駄。自分の時間は言い換えれば命の時間であり、無駄なことに大切な時間を使いたくない」
「命の時間」については「確実に避けようのない死へと向かっている」とも付言している。やや大げさに聞こえるかもしれないが、人生の折り返し地点を過ぎた50代にとって、残された時間は決して無限ではない。
生産性のない愚痴や悪口に付き合う時間を「命の無駄遣い」と捉えるのは、ある意味で真理かもしれない。孤独を選んだとしても、自分の精神衛生と貴重な時間を守るためには、必要な防衛策だったのだろう。
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