キラキラネームを読めない人は「浅学」なのか 90歳女性の新聞投書が話題に
漢字を当て字で読むなど、一般常識から外れた珍しい名前のことをキラキラネームと言う。奇異な名前は就職などで不利になることもあるため、ネットではキラキラネームを付ける親は「世間知らず」と叩かれがちだが、そんな中、朝日新聞に掲載された90歳女性の投書が話題となっている。
「辞書にも出てこない読み方をつける学のある親御さんに関心」
4月25日の朝刊に掲載されたもので、珍しい読み方をする名前があることは知ってはいたが、「月」を「るな」と読ませる名前に驚いた、という内容だ。
「『月』を『るな』と読ませる日本語はどこの書物に記されているでしょうか。辞書にも出てこない読み方を、子どもさんにつけられた学のある親御さんに感心しました。それと同時に、自分の浅学非才を思い知り、恥じ入るばかりです」
年配者は今どきのキラキラネームに対して批判的なイメージがあるが、この高齢女性は名前を読めない自分が恥ずかしいのだそうだ。それが面白かったのか、この投書がツイッターやガールズちゃんねるなどで話題になった。
「恥ずかしいのは付けた親だよ 」
「90歳のおばあさんは何も間違っていない。間違っているのは子供にペットのような浅はかな名前をつけるバカ親達だ」
「かつて人相手の商売をしていましたが、月を『るな』と 読ませる生徒にはあったことはありません。驚くのも当然と思います」
キラキラネームを読めないのは女性が浅学なのではなく、そのような名前をつける親たちが非常識であるという内容のコメントが目立った。また、ツイッターではとあるユーザーが「90歳にしてこの煽りのレベルの高さ」と記事の画像をシェア。
ネットでは他にも「これってさ壮大な皮肉と嫌味だよね」といった声が出ており、実は釣りなのではないかという見方が多数あった。
茂木健一郎 「キラキラネームは日本の伝統的なやり方の延長」
女性の投書は一般ユーザーからだけでなく、脳科学者の茂木健一郎さんも25日のブログで言及した。
「そもそも、日本人は、漢字という『外国語』に日本語を当てはめる訓読みを開発してきたという歴史がある」
と前置きした上で、「月」を「るな」と呼ばせることについては「漢字と異なる言葉を組み合わせるという日本の伝統的なやり方の延長である」と、キラキラネームを擁護するとも思える持論を展開した。
これに対しては「なるほど」という意見と、「論点はそこじゃない」と意見が分かれ、議論が起きている。キラキラネームは色々と根が深い問題のようだ。
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