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【元アイドル刺傷事件】現行のストーカー規制法では守れるものも守れない! 実効性のあるものに今すぐアップデートするべき

冨田さんのツイッターアカウント

冨田さんのツイッターアカウント

21日、東京都小金井市本町のライブハウスが入る雑居ビルの敷地内で、音楽活動をしていた大学生、冨田真由さん(20)が男に刃物で全身20箇所以上を刺されるという痛ましい事件が発生した。

現在、冨田さんは重体と報じられている。警視庁小金井署は、職業不詳の岩埼友宏容疑者(27)を現行犯逮捕し、取調べを行っている。

冨田さんは元々アイドルとして活動していたが、最近はギターの弾き語りを主体に活動していたようだ。報道では「アイドル」として紹介されているが、正確にはアイドル的な魅力のあるシンガーソングライターだろう。(文:松本ミゾレ)

ツイッターで執拗に書き込み、危険を感じて警察に相談していた

この事件で注視しなければならない点。それは、冨田さんが、いずれこういった事態に発展するのではないかと危惧していたところにある。

報道によると冨田さんは今月9日以降、数回にわたって自身の住む武蔵野市の警察署に、岩崎容疑者を名指しして相談を持ちかけていた。岩崎容疑者がネットに執拗に誹謗中傷の書き込みをしていると、助けを求めていたのである。

岩崎容疑者のもの見られるツイッターのアカウントは、既にネットで大量に拡散されている。冨田さんのアカウントへのツイートは当初こそ穏やかなものであった。「楽しい時間をありがとー」など、普通のファンがアイドルのライブ後に送るような文章が見受けられる。

ところがそのうちに岩崎容疑者は、冨田さんに対して「腕時計をプレゼントする意味を知っていますか? 大切に使ってくださいね」とプレゼントを贈ったことについて連絡したり、いっしょにお酒を飲もうなどと書き込んでいる。

自分の期待する反応が得られないと激怒する恐ろしい人間性

岩崎容疑者は、自分が応援しているアイドルを独り占めしたいと思うようになったようだ。やたらと馴れ馴れしく絡み、プレゼントも贈っていたことがうかがえる。

4月下旬。冨田さんはとうとう、業を煮やしてこれまでもらった物品を岩崎容疑者に送り返している。これが岩崎容疑者の怒りに触れたのか、その後、呪詛の言葉を書き込み続け、21日の事件が起きてしまった。

しかし、そもそも事の発端は岩崎容疑者が勝手に冨田さんのファンになり、勝手に応援し、勝手にプレゼントを贈りつけて、自分の期待していた反応が得られないと分かると勝手に憤っていた点にある。最初から最後まで、一貫して自分勝手な感情のみを優先させており、相手の気持ちを全く考えていない。

今回の事件。相談を受けていた警察は防ぐことはできなかった。警察の対応が後手に回る不手際はいつまで続くのか。

管轄署に「110番が入ったら対応して」と要請するだけってどうなの?

日本には、ストーカー規制法が存在している。これは過去に起きたストーカー殺人事件を契機に、2000年11月に立法されたものである。

2000年代に入ってようやく誕生した法律だが、実際にどれだけ効果を発揮しているのかについては、疑問が残る。この法律ができて以降もストーカーによる犯罪は枚挙に暇がない。

一応、その後の改正で電子メールが付きまとい行為として追加されるなどしているが、結局のところ、今回のように警察に相談しても事件を防げない場合もある。

冨田さんはかねてより警察にSOSを発していた。事件直前にも、武蔵野署に対して、21日に小金井市でライブをすることを伝えていたというが、これに対して武蔵野署は、ライブ会場を管轄する小金井署に「110番が入ったら対応してほしい」としか要請していない。

ライブ会場に岩崎容疑者が現れる可能性があり、ネットでも執拗に絡んでくるのであれば、現場に警察官を配するぐらいの対応はすべきだったのではないだろうか。何も起きなければそれで良しとなるし、今回のような事件が発生しても、すぐに容疑者を取り押さえることだってできる。被害が出てからでは遅いのだ。

文句だけは立派な法律を作っても、実効性がなければ全く意味がない。ストーカーの脅威に怯える被害者が安心できるよう、ストーカー規制法のより具体的なアップデートと、この手の相談に対する警察の意識改善を、一市民として切に希望したい。

あわせて読みたい:「野原ひろし」にはなれなかった今の30代

 

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