直前に2人が退職したことで、男性は離職率の高い「ケーサー」という役割に異動することになった。「ケーサーとは、製造ライン全体を監視しながら、機械のトラブルが発生した際には修繕まで行う仕事」だという。規定の勤務時間は8時から17時だったが、実態は全く違っていた。
「まず、機械を立ち上げるために、始業前の1時間は無給で働かされていました。さらに、勤務終了後も掃除や機械の修繕などのため、1時間、多いときには5時間ほどサービス残業をしていました」
さらに、「社長の都合でラインを止められることがあり、その停止時間を取り戻すための作業も、残業代が出ないまま行わされていました」と、タダ働きが常態化していた。
「それだけ働いていたにもかかわらず、年収は200万円未満」
従業員には理不尽なサービス残業を強いる一方で、経営者の羽振りは良かったようだ。
「その一方で、社長は新型のレクサスを購入。さらに、勤務時間外に洗車や草むしりまで強要されていました」
サービス残業とも呼べない雑用での拘束時間だ。そんなトップのため労務管理も極めてずさんだった。普段の出勤管理は名簿に名前を書くだけで、タイムカード自体は存在していたものの、「労基署の人が来るときだけ出てくるような状態」だったという。
「それだけ働いていたにもかかわらず、年収は200万円未満。入社から5年間、こうした環境で働き続けた結果、精神的にも限界を迎え、最終的に退職を決意しました」
男性は現在、別の職場で働き年収は350万円とのことだ。
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