なぜ日本の店員はお客にペコペコしなきゃいけないの? 奴隷ロボットじゃあるまいし…
Q&AサイトのYahoo!知恵袋に、こんな相談が寄せられていました。相談者さんは日本のお店の店員さんに対し、「客にペコペコペコペコと丁寧すぎる対応をする必要はない」と考えているそうです。
作り笑顔をして、大きな声で延々と「いらっしゃいませー」と繰り返し、ロボットのような接客をする必要はない。客が不快にならない程度の最低限の接客をして、求められた物を提供するようなシンプルな仕事をすればいいと言っています。(ライター:Makiko.N)
厄介なお客から自己防衛してるだけという意見も
相談者さんは「ワンダフルな接客をしたい人は別だけど、過度に丁寧な接客はストレスだろう」と考えると同時に、「客もそんな接客を求めているわけではなく、普通に仕事さえすればだれも文句は言わない」と述べて、こう質問しています。
「なぜ日本のお店の店員は、客をあたかも神様のように扱い、奴隷ロボットのような振る舞いをするのですか? 理解に苦しみます。相手や周りを異常に気にする国民性はなんとかならないものか。欧米を見習ってほしい」
日本人の接客サービスは「おもてなし」といわれ、世界的にみても丁寧さが有名。外国人がそのレベルの高さに驚く一方で、海外旅行に行った日本人が外国のサービスのそっけなさや愛想のなさに驚いたという話を耳にすることもあります。
日本のサービスはやはり過剰なのでしょうか。この質問には回答者から「その通り」と賛同する声が寄せられる一方、お客を尊重しているのではなく、厄介なお客から自己防衛しているだけという指摘も相次いでいます。
「普段は会社でいじめられている奴が(お客として)、文句言わないであろう店員にいちゃもんつける傾向が強いから仕方ない側面もあるでしょう」(hummer_toshiさん)
「(お客に)因縁つけられて何か問題になれば社内での立場はなくなりますし、そういった問題を解決できるスキルがない奴と烙印を押されてしまいます。結局は事なかれ主義でペコペコと一番楽な方法を取っているだけです」(yosinoyayorihasukiyaさん)
「百貨店みたいな店に行かなければいいだけ」
ただ、そのような勘違いした客の存在を別にすれば、「店によって丁寧な接客があってもいいはずだ」という意見もあります。
「あなたには、商店街みたいな店が性に合ってるんでしょうね。わざわざ百貨店みたいな店に行かなければいいだけです。多かれ少なかれ、みんなそうやって店を選んでます。それも買い物の楽しみです」(vanilllllllllllllaさん)
回答者のababb200001さんも「客にこびへつらう必要は全くない」としつつ、「要はバランスです。高級なお店はサービスが充実してて当然ですが、そうではないお店はそれなりでいい」と指摘します。
相談者さんが褒め称える欧米だって、一流の店には一流のサービスがあります。そこは批判される必要はないでしょう。
ロボットが普及すれば人間の価値は上がる?
要するに日本では、スーパーのように「安物や薄利多売のモノ」を買うのに「過剰なサービスを求める客がいる」ことが問題になるわけですね。またある回答者からは、こんな指摘もありました。
「日本には無機質な接客のプロ(自動販売機)がいますから、どうしたって人間はそれ以上のことをしてしまうのです」(sagitarius19661204さん)
相談者さんは「奴隷ロボットみたいなことをするな」と言いますが、逆にロボットが普及すれば人間による丁寧な接客が希少価値となるでしょう。物があふれている時代だからこそ、人間による丁寧なサービスや信頼感を売りにして、他の店と差別化する必要があるのかもしれません。
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